#257 Okino Shima(Tateyama, Chiba)
沖ノ島(館山、千葉県)

 あ、海へ行こう。そう思い立って、向かったのが千葉県・館山。

 都心から車で2時間圏内、おまけに東京アクアラインの通行料金割引が2025年3月31日(日)まで継続とあって、お気軽&お得にドライブできる近場ビーチです。

 そんな館山の中でも近頃、注目を集めているのが、沖ノ島。大房岬から洲崎にかけての館山湾のほぼ中央、海上自衛隊館山航空基地の裏手にある島です。が、島といいながらも、長さ約200メートルの砂州でつながり、歩いて渡れます。

 かつては沖ノ島も、“島”と付くとおり、500メートルほどの沖合に浮かんでいたとか。

 これまでも何度か地殻変動を繰り返してきて、決定打となったのが、関東大震災(大正12年)。2メートル近くも土地が隆起し、水深が浅くなったところに、現在の海上自衛隊基地の埋め立て工事によって陸との距離が接近。さらに潮流によって砂が運ばれて堆積し、昭和に入って、ついに房総半島と合体したそうです。

 一周約1キロの無人島、沖ノ島。ほぼ中央にこんもりした森を抱き、海岸線はビーチロックやむき出しになった断層、貝殻が拾える砂浜など、東西南北で表情が異なります。

 砂州を渡って、沖ノ島の東部から上陸すると、すぐに入り口があります。道やトイレが整備され、無人島というより、公園のよう。というか、実際、南房総国定公園です。

 島の中央付近で数本に道が分かれ、そのまま直進すると、西側のビーチロックの浜辺に出ます。ここでは磯遊びをしている親子や、貝殻などを拾い集めるビーチコーミングをしている人も。

2022.09.24(土)
文・撮影=古関千恵子