『スプラトゥーン2』自体は最終的に国内で500万本、全世界累計で1330万本を超えるヒット作になったわけだが、発売直後の大きな盛り上がりをうまく利用しきれなかったのも否定できない。
そして、『スプラトゥーン3』は2022年9月9日発売である。Nintendo Switchは2022年6月末時点で1億1108万台を突破しており、まさしく機が熟した状況にあった。
前述のように「スプラトゥーン」シリーズは作品を重ねるごとに着実な人気を得てきていた。そのうえ普及しきったであろうNintendo Switchで新作が出たわけで、爆発的なヒットに繋がる環境が整っていたというわけだ。
理由2:日本人が「シューター」に慣れた
「スプラトゥーン」シリーズは、ヒトの姿に変身するイカやタコを操作する対戦アクションシューティングゲームである。これは海外では「シューター」と呼ばれるジャンルで、いわば銃で撃ち合って戦うゲームなわけだ。
しかし、初代『スプラトゥーン』以前は、日本にあまりシューターが馴染んでいなかった。コアなゲーマーは遊ぶものの、普段あまりゲームに触れていない人は避けたがるジャンルで、任天堂はそのジャンルに果敢にも挑戦したわけだ。
初代『スプラトゥーン』のおかげでシューターに興味を持つ人が増え、その後は『フォートナイト』や『Apex Legends』などバトルロワイヤル系シューターが日本でも流行した。もはや、「日本人はシューターを遊ばない」と言われる時代は完全に終わったといえる。
そのような状況下で、日本国内において大きな存在感を持つ「スプラトゥーン」シリーズの最新作が登場したわけである。シューターの味を知った人たちがこのゲームに飛びつくのは当然であり、その様子を見て興味を持った人が新規参入するのも道理である。
理由3:実はキャラクター・世界設定も人気
「スプラトゥーン」シリーズはキャラクターものとしても人気がある。ぬいぐるみ、子供向けの弁当箱やバッグ、ゲームに登場する水鉄砲、バスボムや衣類なども販売されているし、セブン-イレブンでコラボ食品が販売されたり、過去作ではサンリオのキャラクターともコラボをしている。
2022.09.21(水)
文=渡邉卓也