佐賀が取り組むサステナブルな数々
前述の松尾さんがつくる種の絞りかすから生まれた入浴剤のように、佐賀県ではサステナブルな取り組みや商品も数多く誕生しています。
無添加へちま水を製造する「へちまや群生舎」では、へちまたわしも販売。脱プラスチックの流れもあり、高級宿で身体用スポンジのアメニティに採用されていたり、飲み込んでしまっても大丈夫なペットの歯磨きおもちゃとしても人気が高いそうです。
ほかにも、観光列車で提供されるような高級柑橘ジュースを販売する生産者が、残った果皮からアロマオイルを抽出したり、海苔やアスパラガスといった特産品の規格外の部分を活用したコスメも開発されています。
「コスメティック構想」ともリンクするのが、佐賀市が推進する「バイオマス産業都市構想」。廃棄物であったものが、エネルギーや資源として活用されることを目指すこの取り組みからも、コスメが誕生しています。
市の清掃工場で排出されたCO2が藻類の培養に活用されていて、藻類から抽出されたアスタキサンチンはコスメやサプリに使用されているそうです。さらに、商品への配合に基準が満たない規格外のアスタキサンチンは、鶏の飼料に混ぜることで「壮健美卵(アスタキサンチン入りの卵)」を誕生させることにも成功しています。
私たちも、この壮健美卵を卵かけごはん専門店「レストランサーグラ」で美味しくいただきました。抗酸化作用があるといわれるアスタキサンチンで、身体の内側からも綺麗を目指せそうです。
使う人も、作る人も魅了するコスメのまち
県産品を扱うショップ「SAGA MADO(佐賀駅前)」や「sagair(佐賀空港内)」には、今回ご紹介した商品をはじめ、県産素材を使ったさまざまなコスメを販売するコーナーがあります。もはやコスメは佐賀土産の代表的な存在になっていたのです。
佐賀県が目指す「日本一コスメビジネスがしやすいまち」は、作る人だけでなく、私たちのように使う人にとっても魅力に溢れていました。
全国で唯一コスメ産業を支援する官民の体制が整う佐賀県。この構想のはじまりからまもなく10年が経つ今サステナブルな取り組みやコスメに触れられる佐賀県を訪れてみてはいかかでしょうか。
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佐賀県コスメティック構想推進室の公式HPはコチラ
2022.09.26(月)
撮影=羽田徹(biswa.)