一方でエルパ「RC-36AC」には壁に取り付けるためのホルダーが付いていますので、手に取って使う以外にも、壁面スイッチとして使うのにも適しています。オーム電機「OAR-N12」は、壁に固定するには、形状の合ったホルダーを自前で探して調達しなくてはなりません。

 肝心の、エアコンとの相性はどうでしょうか。今回の実験にあたっては、計4台のエアコンで問題なく利用できるかをチェックしました。前述のように特定の機能のみ動作しないケースはどちらの製品にも存在しており、そうした意味では条件は同等なのですが、気をつけたいのは近年発売されたばかりのエアコンへの対応です。

 というのもエルパ「RC-36AC」は2015年5月発売までのモデルに対応するのに対して、オーム電機「OAR-N12」は2019年12月発売までのモデルに対応と、発売時期の幅がかなりあるからです。

 将来エアコンを買い替えたあとも使い続けたい場合、後者のほうが有利であることは間違いありません。この2製品以外を選ぶ時も、いつまでのエアコンに対応するかは、チェックしておくに越したことはなさそうです。

 

欠点はあるものの入手性、価格などメリットは大

 以上のように、今回チョイスした2製品は、機能および使い勝手はどちらも一長一短ですが、強いて一方を選ぶとすれば、説明書の丁寧さやバックライト搭載、最新機種への対応の幅広さから、オーム電機「OAR-N12」のほうがよりベストに近いように感じます。

 ただしこれはあくまで製品単位の評価で、メーカー単位で見ると、評価が変わってくる場合があることは要注意です。例えば今回のエルパ「RC-36AC」の欠点のひとつである直感的でないボタン配置は、本製品の上位モデルではきちんと解消されています。両製品共に、1000円台の格安モデルゆえに妥協されている部分はあるのが自然で、それゆえメーカー単位で良し悪しを判断するのは得策ではなさそうです。

2022.07.18(月)
文=山口真弘