◆スノーフレーク
あじさいの中でも、円錐形の大きな花房を垂れるようにつける柏葉アジサイ。葉の形が柏の葉に似ていることからその名前が付けられました。
なかでも、八重咲きで花房にボリュームのあるものがスノーフレークです。
花は長い期間楽しむことができ、時間がたつごとにピンクやグリーンの色が濃くなり、秋には紅葉も楽しむことができます。自分の好みの花色のタイミングで切って、切り花として楽しむのもおすすめです。
あじさいは水を好むので、茎は斜めにカットし、茎の中にある綿上の白い部分を取り除いて、深い水に生けてあげると長持ちします。
◆伊予獅子てまり
「伊予獅子てまり(いよししてまり)」は、野草のような雰囲気のヤマアジサイの仲間でありながら、西洋アジサイのような華やかな魅力もある、いいとこどりのあじさいです。
名前の通り、手毬状の花房をつけますが、そのサイズ感が4センチ程度と小さく、とても可愛らしい印象です。
花房を沢山つけるので小さいながら寂しい印象になりません。
鉢花として見かけることの方が多いので、切り花で見つからない場合は鉢から切って飾りましょう。
◆隅田の花火
中心に蕾のような小さな花が密集し、その周りにガクと呼ばれる装飾花が開くガクアジサイの一種です。
ガクの茎が長いのが特徴で、その姿はまるで夜空に上がった花火のようです。
隅田の花火には、隅田川の袂で生まれた江戸切子のグラスが良く合います。グラスの中にビー玉を入れると、茎をまっすぐにして飾れますよ。
いかがでしたか?
最近では輸入のあじさいも増えて、一年中手に入る花になりましたが、バラエティーに富んだラインナップを楽しめるのは旬のこの時期だけの魅力です。
萎れてしまったあじさいは、新聞紙などで茎をまっすぐに補正してくるんで、花首につかるくらいの深い水に半日ほど入れておくと、シャキッと元気になります。
上手に手入れをして、旬のアジサイを長く楽しみましょう。
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佐藤俊輔(さとう しゅんすけ)
フラワーデザイナー。大手百貨店退社後、花の世界へ。2014年モナコ国際親善作品展国内選考会で特別賞を受賞。'17年「女性自身」(光文社)、’19年日本最大級の花材通販「はなどんやアソシエ」にて季節のアレンジメントを連載。’20年から、CREA WEBにて「Playful Flower Life!」連載中。
Column
今日、花を飾るなら。
ブルームカレンダー
フラワーデザイナーの佐藤俊輔さんが一日一花、暮らしが華やぎ、活力をもらえるおすすめの花をナビゲート。花にまつわるトピックスや飾り方などもあわせて紹介します。今日は、花を飾ってみませんか?
2022.06.09(木)
文=佐藤俊輔
イラスト=佐藤弘昌