旬のあじさいを家に招き入れて梅雨を楽しみましょう
初夏が旬の花といえばあじさい。
梅雨空の下、雫を抱いて輝くあじさいも素敵ですが、家のなかで、悠々と生けられたあじさいもまた美しいものです。
今回は、フラワーデザイナーの佐藤俊輔さんが一日一花、「今日飾りたい花」をナビゲートする連載「ブルームカレンダー」に登場したあじさい6品種を、まとめて公開します。
お馴染の手毬状のものから、円錐形の大きな花房状のものまで、いろいろな形があるので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。
◆ダンスパーティー
あじさいの中で、花のように見える部分はガクが大きく発達した装飾花と呼ばれる部分で、本物の花はその中心に小さく咲いていますのでぜひ探してみてください。
90年代半ばに誕生した品種「ダンスパーティー」は、装飾花が特に美しく、ひし形が幾重にもかさなり、幾何学的な形をしています。
あじさいのは茎だけでなく葉や装飾花からも水を吸うので、水をはった容器に浮き花にしてあしらえば水に浮かぶ雪の結晶のような涼しげな姿を楽しめます。
◆華あられ
「華あられ」は、2014年に登場した新しいあじさいの品種です。
花の縁がくるんと丸く反り返っているのが特徴で、その姿はまるでつまみ細工や和菓子のように見えます。
はじめのうちはうっすらグリーンがまじる淡いピンク色ですが、咲き進むにつれてピンクの色が濃くなっていきますので、好みの色のタイミングで剪定して、切り花として飾りましょう。
◆アナベル
日本ではアメリカあじさいと呼ばれる、アメリカに自生しているあじさい。中でも人気の品種が「アナベル」です。白く小さな装飾花が密集した花房はボリュームたっぷりで、見ごたえがあります。
ドライフラワーやプリザーブドフラワーにも加工され、たくさんの商品が発売されています。そんな人気のアナベルに最近、ピンク色の品種が登場しました。
花にボリュームのあるアナベルはワインボトルを使うと安定して生けられます。
2022.06.09(木)
文=佐藤俊輔
イラスト=佐藤弘昌