アニメはずっと人生とともにあった。
「問題に直面した時、私はどのキャラクターのように行動するだろうとか、もし同じような立場にあったら、私はどういう選択をするだろうという指針にもなってきたので、アニメのキャラクターから得たものはとても大きいです。今は、『スラムダンク』の桜木花道の突き抜けたカッコ良さや、『ワンピース』のルフィや『ドラゴンボール』の孫悟空など、何事にも恐れず挑んでいくザ・主人公的メンタルの強さに憧れるし、見習いたいです」
宝塚時代には、役作りの一環として、いろんなアニメからヒントを得ることもあったという。
「特に『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』という作品に出演した時は、SF小説が原作で、まさにアニメ化もされていたので、ひたすらアニメを見続けて研究しました。アニメならではのビジュアルや雰囲気があるので、そこに夢をもっているアニメファンの皆さんの想いを壊さないように、それを越えられるようにと思っていました」
自身もアニメファンであり、また、ファンに楽しんでもらうことをとても大事にする七海さんならではの言葉だが、声優の仕事を意識し始めたのは、いつ頃だったのだろうか。
「元々、宝塚を夢見るようになったのは、テレビで天海祐希さんを見てカッコいい人だなぁと思ったのがきっかけ。初めて生観劇した舞台も『ミー&マイガール』という天海さんの退団公演。同じ頃、涼風真世さんが、宝塚退団後にアニメ『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』で主人公役を演じられていて、『宝塚出身の方が声優のお仕事をされることもあるんだ!』と非常に驚きました」
※誌面後半では、昨年出演したTVアニメ『ヴィジュアルプリズン』のアフレコ話や、2021秋アニメでハマった作品、読者におすすめのアニメについて語っています。続きは発売中の『週刊文春WOMAN vol.13(2022年 春号)』にて掲載。
Hiroki Nanami
茨城県生まれ。2003年に宝塚歌劇団に入団、男役スターとして活躍。19年3月に退団。8月にメジャーデビュー。22年3~5月には「舞台『刀剣乱舞』綺伝 いくさ世の徒花」に出演するなど、俳優、声優、アーティストなど多方面で活動中。声優としての主な出演作に『ヴィジュアルプリズン』『かげきしょうじょ!!』など。
photographs : Yumiko Taruki
styling : Syohei Fujinaga
ベスト\41,800 ロングシャツ\29,700 フリルシャツ\25,300 パンツ\28,600 シューズ\66,000(以上ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿) 中に着たワンピース\24,200(リュー/ティーニー ランチ)
2022.04.05(火)
文=大西 展子