バックヤードになりがちな寝室を、もっと心地よい空間に。毎晩「早く行きたい」と思える部屋なら、早寝の習慣も身につくはず。
睡眠の専門家による環境づくりのノウハウとお手本にしたい二人の寝室を紹介。眠りの質の改善にも繫がります。今回はインテリアデザイン事務所「FILE」の代表・石川敬子さんに寝室を見せていただきました。
睡眠のプロに聞く最適な寝室環境とは?
睡眠の専門家、三橋美穂さんによると、心地よい寝室の条件はまず温度と湿度、だという。
「冬はもちろん春先でも、日中に人のいない寝室は、トイレや廊下とほぼ同じ室温まで下がっています。今の時期、寝室の理想の温度は18~23度、湿度は40~60%。寝る前にエアコンなどで暖めたり、冷気が侵入する窓際をヒーターで暖めると、不快な温度差を軽減できます。
また室温だけでなく、布団の中の温度も大切。寝る前に布団乾燥機や電気毛布、湯たんぽなどで暖めたり、首、手首、足首を冷やさないことも心地よい睡眠に繋がります」
さらに空気をきれいにすることはコロナ対策だけでなく、睡眠の質を上げるためにも重要な要素。寝る前の換気や空気清浄機の利用も快適な寝室づくりの条件に。光のコントロールも睡眠の質を左右する。
「上から照らす明るい光ではなく、間接照明などで夕方のような温かみのある光にすることで、睡眠ホルモンの“メラトニン”が分泌されます。眠るときはできれば豆球もつけず、真っ暗にするのがおすすめ。
反対に朝はカーテンを開けて明るい光を見ることで活動のホルモン“セロトニン”が分泌され、心の安定や元気に繋がります」
こうして光でオンとオフをコントロールし、メリハリをつけることで生体リズムが整い、睡眠の質がアップ。日中のパフォーマンスも上がっていく。
ちなみに、寝室に理想的な色使いはあるのだろうか。
「好みはそれぞれですが、ビビッドな色より落ち着いた色の方が睡眠にはいいですね。同系色、類似色でまとめたり、違う色でもトーンを揃えると落ち着いた印象になります」
●快眠環境のキーワード
□室温は18~23度を維持
□真っ暗が安眠には最適
□空気の浄化を心がける
□落ち着いた色使いに
2022.04.07(木)
Text=Yoko Maenaka
Photographs=Hirotaka Hashimoto, Ichisei Hiramatsu