関門海峡をなんと徒歩で横断! 活気あふれる下関の海鮮市場へ

 旅の2日目もめいっぱい旅を楽しむ予定の二人は、まずホテルのレストラン「ビュッフェファーマーズ」で朝食を。プレミアホテル門司は充実した朝食メニューも評判です。

 席に着くと、まず運ばれてきたのは「港町リゾート朝食御膳」。地魚を盛り込んだ「関門海鮮どんぶり」を中心に、アサリのお味噌汁や焼き物、煮物など、手の込んだ料理を朝からしっかりいただきます。

「さすが港町、海鮮どんぶりのお魚が新鮮よね。煮物や焼き魚もていねいに作られていてうれしい」(内藤さん)

「ビュッフェもフレッシュなサラダバーから焼きカレーまで揃っていて、ついつい食べ過ぎちゃった(笑)」(池田さん)

 エネルギーをチャージして、今日も1日スタート! 散策がてら門司港レトロを歩き、全国でも最大級という歩行者専用のはね橋「ブルーウィングもじ」を渡ります。

 関門海峡や関門橋を見渡せるこの橋は、10時、11時、13時~16時の間の毎時に、開閉します。じつは「恋人の聖地」に認定されており、橋がつながった時に最初に渡ったカップルは一生結ばれるそうですよ。

ブルーウィングもじ

所在地 北九州市門司区港町4-1
開橋時間 10:00、11:00、13:00、14:00、15:00、16:00
閉橋時間 10:20、11:20、13:20、14:20、15:20、16:20
料金 無料

 さて、今日は関門海峡を渡り、お向かいの山口県下関へと足を伸ばします。これも地の利が良い北九州ならではの旅プランですが、なんとクルマだけではなく歩いて渡ることもできると聞き、二人は興味津々。それが、世界でも珍しい歩行者用海底トンネル「関門トンネル人道」です。

 人道の全長は約780メートル。関門橋のふもとにある入り口からエレベーターで地下に降りれば、もうそこがトンネルの始まりです。下関側へは、徒歩でわずか15分ほど。

 海の中を歩いて対岸へ渡るという滅多にない機会に、内藤さんも池田さんもちょっとドキドキ。トンネルの中ほどには、福岡県と山口県の県境が路上に書かれており、珍しい海底の県境を、二人とも軽いステップで飛び越えました。

関門トンネル人道

所在地 北九州市門司区大字門司
電話番号 083-222-3738
通行可能時間 6:00~22:00
定休日 無休
料金 歩行者無料、自転車・原付20円

 人道を渡り切って地上に出れば、そこはもう下関市街。海岸沿いにはさまざまな施設が立ち並んでいますが、特に目を引くのが、竜宮城を思わせる朱塗の門構えです。

 ここは、子授け・安産のパワースポットとして知られる赤間神宮。関門海峡はかつて平氏源氏が激しい合戦を繰り広げた「壇ノ浦の戦い」の舞台とされており、この戦で入水され、8歳という幼さで亡くなった安徳天皇を祭神としているのが赤間神宮なのです。

 境内には安徳天皇阿弥陀寺御陵のほか、平家一門の墓やラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の怪談で有名な「耳なし芳一」の芳一堂なども。参道はそのまま海に向かっており、大きな海のエネルギーが体いっぱいに伝わってくるかのようです。

赤間神宮

所在地 山口県下関市阿弥陀寺町4-1
電話番号 083-231-4138
開門時間 0:00〜24:00  (授与所  9:00~17:00)
http://www.tiki.ne.jp/~akama-jingu/

 参拝のあとは、海沿いの道をたどって唐戸市場へ。地元の漁師さんが魚を直接販売する珍しい販売形態の卸売市場です。名産のふぐをはじめ、タイやハマチなどぴちぴちの鮮魚が一般客でも気軽に購入できるとあって、連日大勢の来場者で賑わっています。

 ここで大人気となっているのが、毎週末と祝日に開催される「活きいき馬関街(ばかんがい)」。通常の営業に加え、寿司店など多数の屋台が出店し、ふぐの握りをはじめ、とれたての旬の魚介を握りやどんぶりにして“寿司バトル”を繰り広げるのです。

 所狭しと並べられた多種多彩な握り寿司が選び放題とあって、内藤さんも池田さんもテンションが上がります。価格もリーズナブルで、屋台はどこも開店と同時に大賑わいでした。

唐戸市場 活きいき馬関街

所在地 山口県下関市唐戸町5-50
電話番号 083-231-0001
営業時間 10:00~15:00(金・土曜)、8:00~15:00(日曜・祝日) ※終了時間は仕入れ状況によって異なる
定休日 月~木曜
https://www.karatoichiba.com

 下関から門司港への帰り道は関門連絡船で。唐戸桟橋から門司港まで約5分という早さで門司港に到着すると、二人はレンタカーに乗り込み、次のスポットへと向かいます。この旅最後の目的地は、北九州市の中心地、小倉です。

2022.03.25(金)
文=張替裕子(giraffe)
撮影=橋本 篤