美容ライターの増本紀子さんが、冬ならではの美容のお悩みをスパッと解決。今回は、マスク生活で増加しつつある唇のトラブルを解消する方法を紹介します。


 マスクをする生活が日常的になってから、肌に加えて唇の悩みが増えてきているよう。その一因は、ケア不足。マスクをしていると湿度が保たれるので、うるおっているかのように勘違いし、放置してしまうから。

 さらに、口紅を塗る機会も少なくなっているので、“素”のままでいる人が多いようで……。

 マスクを外したときにもぷるんと弾力のあるうるおった唇でいるために、こまめなケアを、ぜひ。

 今回は、意外と知らない唇のしくみと正しいケア方法、さらに夜・朝・日中におすすめのアイテムをご紹介します。

唇のしくみを知って、トラブルを解決!

 食べたり、しゃべったりと酷使しているのにも関わらず、唇の構造や特徴は意外と知らないもの。

 今回、資生堂グローバルイノベーションセンター研究員の村田大知さん、青木瑞希さんにお聞きしました。

Q. 唇の構造の特徴を教えてください

 大きな特徴はこちらの4点です。

・角層が薄く、外部からの刺激を受けやすい
汗腺はなく、皮脂腺も少ないため、皮脂などの保湿成分が少なくて乾きやすい
角層のターンオーバーが3~4日と短いため、正常な角層をつくる準備が不十分で水分を保ちにくい
・メラニン色素がとても少ないので、紫外線を防止することができない

Q. 唇のトラブルとして代表的なものは?

 乾燥や、あれ、皮むけが主なものです。

Q. 健やかな唇でいるために、絶対にやってはいけない行動は?

 1つは、「ごしごしとこする」ことです。唇は、角質や表皮がはがれやすい構造のため、リップメイクをオフするときは、決してこすらず、優しくオフしましょう。

 次に、「唇をなめる」ことです。なめることで、唇の乾燥をさらに悪化させ、トラブルを呼び起こしてしまう可能性があります。

Q. リップケアで大事なことは?

 必要なのは、こまめなケアです。乾燥などのトラブルがあっても、細胞の生まれ変わりが早いので、こまめに適切なケアをすれば、数日以内に解消することが多いです。

 また、触覚が非常に敏感で、バリア機能も低いため、物理的刺激を感じやすい器官でもあります。肌触りの良いマスクをつけたり、マスクをつける前にリップケアをしたりするのがおすすめです。

 さらに、唇は、口腔や胃腸などの消化器官と繋がっているため、体内の状態が出やすいとも言われています。ケアしても治らない、などの場合は、食生活や生活習慣の見直しをすることも大切です。

2022.02.13(日)
文=増本紀子
撮影=釜谷洋史