愛子さまの幼児期に情緒を育むことを大事に

 同時に両陛下は、幼児期に情緒を育むことを大事にお考えになられ、命の大切さも教えられてきた。

 東宮家時代のご一家には、たくさんの昆虫や亀などの生き物や犬、猫がいた。愛子さまにとっては家族であり、それぞれが大切な命だった。

 雅子皇后も小学生の頃は、将来なりたい職業を「獣医さん」というほど動物や生き物好きで知られている。愛子さまも初等科1年生の時に「かぶと虫」と題した作文を書かれた。

〈だいじにおせわをして、らい年のなつにりっぱなかぶと虫にしたいです。たのしみです〉

 

 3年生の時には学校からもらってきた蚕を御所内で育てられたという。美智子上皇后陛下も蚕を大切に育てて来られたため、愛子さまと話が弾むことがあったという。

 愛子さまが幼いころには、天皇だった上皇陛下が「残念なことは、愛子は幼稚園生活を始めたばかりで、風邪をひくことも多く、私どもと会う機会が少ないことです」と会見で述べられたこともあったが、高校生になってからはお一人で御所に上がることも増えたそうだ。

眞子さんの結婚で愛子さまが考えられたこと

 小室眞子さんの結婚をきっかけに、愛子さまのご結婚や女性天皇誕生への関心が高まっているのも事実だ。

 陛下は愛子さまの結婚について2月の誕生日会見のなかで、

「大学生活も始まったばかりですので、今後ともいろいろなことを学びながら、自分としての視野を広めていくことになると思います。私もその過程でいろいろなことを恐らく相談に乗ることと思いますので、結婚のことも含めて、いろいろ将来のことも話し合う機会というものがあるかと思います」

 と述べられた。

 愛子さまは、眞子さんの結婚までの過程をご覧になりながら、皇族の結婚とは何が理想なのかを考えられたといわれている。

「ご自分の意思で選んだお相手が両陛下や国民から納得を得るためにどうしたらいいのか。どういう相手なら祝福されるか。そういうことを考えると、結婚の時には躊躇なさることもあるかもしれません」

2022.01.05(水)
文=友納尚子