12月1日、天皇皇后の長女・愛子さまはご成年の日を迎えられた。麗しいロングドレス姿を披露され、愛子さまがお召しになったローブ・デコルテやティアラ、髪型などに大きな注目が集まった。
陛下とお会いになる前の雅子さまのヘアセット
母の雅子さまが皇室の一員となられた1993年6月9日、ご婚儀に際した雅子さまのローブ・デコルテをデザイナーの森英恵氏が手がけた。
雅子さまの大学時代からご婚約のころまで、カットを担当していた美容師の多田修さんは、「文藝春秋」2019年11月号で当時をこう振り返っている。
「平成4(1992)年の年末に雅子さまがセットにいらしたときのことは忘れられません。あとから考えれば、陛下のプロポーズをお受けして間もなくのタイミング。きっと陛下とお会いする前だったんでしょうね」
「婚約を言おうと思ったんですけど……」
1993年の年明けに、「雅子さまが皇太子妃に」というニュースが流れた。
「そのすぐ後にいらっしゃったとき『年末、何言おうとしていたの?』と聞いたら、『(婚約を)言おうと思ったんですけど……』と。今後のスケジュールと洋服に合わせる髪型について相談したかったとのことでした」
「婚約発表後は、とにかくすごい騒ぎです。これは大変だと思って『わたしがご自宅にいきましょうか』とお聞きしたら『そうしていただければ』というお返事でした。
ご自宅には5~6回うかがったと思います。リビングにピクニックシートを敷いて、椅子をお借りして座っていただきました。傍らのテーブルに記者会見の想定問答集のようなものが置いてあったこともありました。セットをしている間に、受け答えの練習をされていましたね」(同前)
一時期は、腰に届くほどのロングヘアで、黒いバレッタなどでまとめられていることが多かった雅子さま。同じ頃、学習院初等科に通われる愛子さまも御髪を長く伸ばされ、三つ編みやツインテールにされていた。時に、雅子さまと愛子さまがお揃いのようなヘアアレンジをなさっていることもあった。
2021.12.31(金)
文=「文藝春秋」編集部