また、衣裳も観ていて安心感があった。今でこそハロプロもアンジュルムを始め、スタイリッシュな衣装が増えてきたが、初期のハロプロの衣装は、布をもう少し使ってあげてもいいのでは、と心配になるものも多かったのだ。新曲が出るたびハラハラドキドキしたものである。
しかしタンポポは初代からタンポポ#までずっとオシャレ。リカちゃん人形に着せたいようなノーブルなワンピースと帽子が曲ととてもマッチしていた。
楽曲良し、衣装も最高。ハロプロの中で一番安心して観ることができるユニット、それがタンポポだった。
「アンブレラ」の乙女感と甘酸っぱさ
だからこそ2002年、飯田圭織と矢口真里、加護亜依の3人が抜けるメンバー変更が発表されたときは「なぜ?」と驚いてしまった。しかし、第3期タンポポ(石川梨華、柴田あゆみ(メロン記念日)、紺野あさ美、新垣里沙)の楽曲「BE HAPPY 恋のやじろべえ」も、聴いてみればキャッチーな良曲。
2009年に結成された亀井絵里 (モーニング娘。)、光井愛佳 (モーニング娘。)、熊井友理奈 (Berryz工房)、岡井千聖 (℃-ute)によるタンポポ#の楽曲「アンブレラ」の乙女感、甘酸っぱさは、歴代タンポポに負けていない。
最近こんなことがあった。ある仕事でソーシャルディスタンスのため、長い机の端と端に座りながらの打ち合わせ。しかしひょんなことからハロプロの話になり、その方が「アンブレラ、名曲っすよね……」と呟いたのである。私は思わず机を蹴り倒して駆け寄り、握手を求めそうになった。
願わくば、またタンポポの名を引き継ぐユニットが出て、乙女感全開のオリジナル曲が生まれればいいな、と思う。
「どこにだってある花だけど」
さて、ここしばらくハロプロは卒業が続いている。11月15日にはアンジュルムの笠原桃菜、11月24日にはJuice=Juiceの金澤朋子。そして12月13日にはモーニング娘。’21の佐藤優樹が卒業した。
2022.01.01(土)
文=田中 稲