気づかぬうちに部屋の片隅にたまったホコリ、キッチンのしつこい油汚れ、ヌルっとしたカビ……。家庭で生じるイヤな汚れには、それぞれに適切な落とし方があるものの、具体的な掃除法は意外と知らないもの。

 ここでは、掃除・洗濯・洗剤を主婦目線、かつ科学的に解説する講座を10年以上にわたって開催する本橋ひろえ氏の著書『ナチュラルおそうじ大全』(主婦の友社)の一部を抜粋・再構成。ちょっとしたコツで驚くほど簡単にキレイが保てる掃除のポイントを紹介する。(全2回の1回目/後編を読む)

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家の汚れの大親分!それは ホコリ・チリ!

《ホコリの正体》

 繊維くずに髪の毛などがからまったもの。

 砂や泥や食べ物のカスなどが乾燥したもの。

《ホコリを放置すると》

 雑菌が繁殖したり、においのもとになったり、 アブラ汚れとまじりあってこびりつく。

《ホコリの対処法》

 掃除機やハンディワイパーなどで、物理的にとり除く。

放置するとアブラ汚れとまじりガビガビにこびりつく

 ホコリのない家はありません。掃除のゆきとどいた家でも、人のいない家でも、たまっていくのがホコリやチリです。実を言うと、家の中でもっとも多い汚れが、洗剤のいらない汚れであるホコリなのです。

 ホコリを分解してみましょう。メインとなる物質は、衣類や布製の家具から出る綿ボコリです。フワフワした繊維の間に、髪の毛や食べ物のカス、外から入ってきた粉塵や花粉などがまじりあっています。なかにはカビやダニが繁殖していることも。これを放置すると雑菌のすみかになって、家のにおいの原因になります。しかも、時間がたつと室内のアブラ汚れとまじりあって、フワフワだったホコリがガビガビになり、洗剤がなくてはとれないガンコ汚れに変質。掃除機やワイパーでとれるうちにとり除くのが実はラクなのです。

 

洗剤で落とす汚れの主役アブラ汚れ!

《アブラ汚れの正体》

 飛び散った料理油、お肉や魚から出る動物性脂肪、 人間の手肌から出る皮脂など。

2021.10.28(木)
文=本橋ひろえ