片山 でも、記者会見をやったら、逆の反応が起きる心配もありますよ。文書なら時間をかけて書けますし、読み手によっていろいろな解釈ができますが、会見ではその場の受け答えになるので。余計なお世話ですけど(笑)。正規のプロセスではないとしても、私はもう静かに降嫁していただくしかないと思います。

 

ニューヨークでの生活

山口 これは私の勝手な想像ですが、晴れてご結婚となれば、お二人はニューヨークで暮らしたいと思っているんだろうなと思います。でも現実は厳しいですよ。ニューヨークでそれなりにセキュリティがあるマンションで体面を保って生活していくためには年収数千万円くらい必要です。小室さんが弁護士になっても、これほどの年収を稼ぐのはそう簡単ではありません。

 一方で歴史の浅いアメリカにおいて、「ロイヤル」はものすごく価値がありますから、2人はもてはやされるかもしれない。メーガン妃が「サセックス・ロイヤル」を商標登録しようと考えたのは、そういうアメリカ社会をよく知っているからです。ニューヨーク社交界でセレブとしての地位を獲得して、華やかな交友を広げることを考えてらっしゃるのかもしれませんね。

小室さんのアピール力

江森 でも、皇室のあり方から遠ざかれば、ますます反発を招きかねません。

山口 小室さんはニューヨーク州弁護士会主催のコンペで準優勝しています。論文の表題は「社会的企業のためのクラウドファンディング法改正の可能性への課題と示唆」。これはセンスがいいです。ホットイシューであるクラウドファンディングと社会的企業を選び、かつその論文をニューヨークの実務家主催のコンペに出すのもセンスがある。表を使ってとてもトレンディにまとめる力もある。

 ただし、思索を突き詰めて真実にたどり着く、または、多大な資料を労力を惜しまずに読み込むというタイプではないかもしれません。際立ったアピール力というのが、他を補ってあまりある彼の才だとすると、自分を評価してくれるコミュニティにばっちりハマれば、成功する方だと思います。

2021.09.16(木)
文=「文藝春秋」編集部