山口 私が心配なのは、万が一結婚生活がうまく行かずに離婚した場合です。元皇族を経済的に支えるセーフティネットが果たして眞子さまに残されているのか。これだけみんなが小姑みたいに心配して反対して、それでも結婚を選ばれた後、社会は彼女に戻る場所を用意してあげられるのか、それだけの寛容さが私たちの社会にあるのかが心配です。

江森 私が取材した範囲ですけれども、結婚して民間人となった眞子さまが、離婚しても秋篠宮家に戻ることはできません。戻る家はないのです。秋篠宮も名乗れません。姓もどうするのでしょうか。国民と違う点が多いのです。ですから眞子さまを国民と同じように考えて、軽々に「駄目なら離婚すればいいのだ」と、言って欲しくないのです。とにかく、眞子さまが幸せになる方法を今、真剣に考えてもらいたいと思います。

いずれ天皇の姉と義兄になる眞子さまと小室さん

片山 言わずもがなですけど、それはやっぱり、結婚しないほうがいいということですか?

江森 眞子さまには幸せになっていただきたい、ということです。それに尽きます。その意味からも、結婚相手をより慎重に考える必要があると思います。そしてご両親とよく話し合って欲しいのです。眞子さまは頑なにならずに、「結婚のチャンスはまだある」と、もっと柔軟に考えていただきたいと願うばかりです。

河西 眞子さまが小室さんと結婚すれば、お二人はいずれ天皇の姉と義兄になりますから、どうしたって注目され続けます。象徴天皇制がこれからどうあるべきか、国民と皇室でもっとキャッチボールすることが必要であることは確かでしょうね。

片山 私は皇室が存続してゆくには、小室さんのような存在も織り込める力が必要と思います。つまり柔構造ですね。そうでなければ、この世界的に価値観の多様化する時代に耐えられますまい。真に揺れないためにいつも揺れている。それが柔構造でしょう。もちろん皇室だけが柔らかくてもしようがない。結局、国民が柔らかくなれるか否か。そこに尽きてくるのではないでしょうか。

2021.09.16(木)
文=「文藝春秋」編集部