私は、既に両親が、悠仁さまが進んでほしい特定の学校や大学を想定しているのだと思っていた。しかし、両親の話を聞くうちに、この先、どの学校に行って学ぶのがよいかというような具体的な考えは、まだ、持っているようには感じられなかった。

 悠仁さまが4年生から5年生へと進み、学校生活を送る中で、いろいろと考えを深め、家族と話し合いながら、自分の将来をじっくりと考え、決めていくのであろう。

 遠くより我妹(わぎも)の姿目にしたるうまごの声の高く聞え来(く)

「虫捕りに来し悠仁に会ひて」とある平成22年の天皇陛下(82)の和歌だ。夏、幼い悠仁さまが、昆虫採集のため、両陛下の住まいである皇居・御所を訪れた。その際、遠くから、皇后さま(81)の姿を見つけて喜び、その声が聞こえてくるという大意らしい。祖母と孫とのほのぼのとした交流の場面が鮮やかに目に浮かんでくる。

 

1歳末の頃から、虫に興味を持ち始めた悠仁さま

 平成20年11月の記者会見で紀子さまは、「夏ごろからでしょうか、庭にいる小さな虫、バッタやカマキリなどを見つけて上手に捕まえて、手で持ったり、また袖に乗せたりしてよく観察しておりました」と、昆虫に興味を持ちだした頃の悠仁さまを紹介している。

「夏ごろ」と言うから、平成20年夏で、おそらく悠仁さまは、1歳末の頃から、虫に興味を持ち始めたらしい。平成21年秋には、秋篠宮さまが「結構虫に興味が出てきまして、庭でカブトムシを見つけたり、カマキリを見つけたりして、それを毎日何回か眺めるというか、一緒に遊ぶことを楽しみにしているようでした」と、興味が高じてきた様子を語っている。

2人の姉・眞子さま、佳子さまと 宮内庁提供
2人の姉・眞子さま、佳子さまと 宮内庁提供

 以来、「昆虫博士」「昆虫ハンター」としての悠仁さまの歩みは、今も続いている。先日、宮さまに聞くと「昆虫への興味は、今でも相当ありますよ。採集するため、あちこちに出掛けています」と、即答した。「あちこち」というのは皇居・御所や赤坂御用地だけでなく、他の場所へも足を運んでいるらしい。

2021.09.11(土)
文=江森 敬治