長く愛される理由 スタレビのライブ愛

 CM曲やドラマ主題歌でもよく知られるスタレビだが、彼らの真骨頂はなんといってもライブ!

 デビューしてから毎年、年間50本から80本ライブツアーを敢行。アルバムを作るのは全国ライブする口実、とまで言ってしまうほどのライブ大好きバンドである。そして、それを楽しみにしているファンも何と多いことか。

 2018年にボーカルの根本要さんが脳梗塞の診断を受けライブが2回中止されたが、それでも約10日間で復帰。それ以外は休みなし(コロナ禍による延期は除く)。どれだけパワフルなんだ。嬉しくなるじゃないか!

 長く長く愛される曲が多く、スタレビの話が出ると「はーい! アルバム持ってる」「はーい! ライブ行ってる」「はーい! 昔からファンなんで話長くなります」とファンがどんどん見つかる。まさに「しみじみ愛され続けて40年」というキャッチフレーズをつけたくなるバンドだ。

 2020年からのコロナ禍で、ライブ開催やコール&レスポンスが難しくなり、もどかしくはある。が、配信ライブや、YouTubeチャンネルのライブダイジェストは必見。“たっかいたっかい空を突き抜けるような声”と、パワフルかつスタイリッシュなサウンドは健在だ。

 一度演奏が始まると、そこはもう最高のミュージック・アヴェニュー。爽やかで甘い空気、そしてせつない思い出がドッと降ってくる。

 スタレビの音楽は翼を広げた鳥。

 還暦を過ぎても、音楽に愛されている彼らの夢伝説は、まだまだ続く。

田中 稲(たなか いね)

大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。著書に『昭和歌謡出る単1008語』(誠文堂新光社)など。
●田中稲note https://note.com/ine_tanaka/

Column

田中稲の勝手に再ブーム

80~90年代というエンタメの黄金時代、ピカピカに輝いていた、あの人、あのドラマ、あのマンガ。これらを青春の思い出で終わらせていませんか? いえいえ、実はまだそのブームは「夢の途中」! 時の流れを味方につけ、新しい魅力を備えた熟成エンタを勝手にロックオンし、紹介します。

2021.07.30(金)
文=田中 稲