近年は現代アートの美術家として活躍する大宮エリーさんが、自費出版でネイティブアメリカンの聖地や古神道の聖地など、国内外のスピリットプレイスを撮影した写真集「SHASTA」と「SACRED SPACE」を刊行しました。

 そこで、ご自身が大切にされているスピリチュアルな旅と、おうちでのちょっとした聖なる精神時間について語っていただきました。

 コロナ禍でなかなか旅に出られないなど行動が制限される中、心の整え方の参考になります。


沖縄に住む神人さんに言われたこと

 2020年秋、占星学的に世の中は「風の時代」になりました。

 たしかに、多くの人が、お金や権力や組織など古い体質のもの、形のあるものよりも、精神的なものや、信頼、愛情、情報など、目に見えないものをより大事にし、シェアするようになったような気がします。

 私がスピリチュアルな旅に惹かれたのは2012年のこと。TBSのクイズ番組「世界ふしぎ発見!」がきっかけでした。

 神人(かみんちゅう=シャーマン)の方々が多く住まわれている沖縄の聖地・久高島をテーマにしたクイズで、パーフェクト賞をとったことがご縁です。

 久高島に行ったことがないのに全問正解しました。司会の草野仁さんに「なにかご縁を感じるので自分で久高島に行って確かめてきます」と宣言しました。

 久高島にはいにしえから、シャーマンの方、神人さんがたくさん住んでいたそうです。

 今ではもう、過去に神人さんをしていたという方ばかりになってしまったとも聞きますが、現在も現役の方がいるとかいないとか。

 以前、沖縄に住む神人さんに、「あなたは聖なるものを人々にみせられる立場にある。

 だから神様があなたにそういうものを見せている。独り占めするな、シェアしなさい」と言われました。

 風の時代になったのかなと感じるのは、最近、聖地の話をすると多くの人に興味を持たれるからです。

 「エリーさんはどこの神社に行ってるんですか?」と普通に聞かれます。まるでおすすめのお持たせやいきつけのカフェを問われるみたいに。

 私、バリバリの理系の東大薬学部出身で、ニューロンとか神経伝達物質など科学の勉強をしていたのに(笑)、いまは神様の存在とか、科学で証明できない、人知を超えた大いなる存在ってあるんだなぁと実感することがあります。

サプリや飲み薬よりも聖地がおすすめです(笑)

 私のいきつけの神社は明治神宮。ご祈願で、笛、太鼓、鈴、踊りをしてもらえるのでおすすめです。

 最近は旅行になかなか行けないので、明治神宮で小さい充電をしています。

 感覚的には携帯でいうところの3%くらいになったらいきます。だって0%になってしまうと充電に時間がかかるようになるから、からっぽになる前にこまめに充電します。

 神社に行ったら、手を合わせて自分の名前や住む場所を言ってから具体的に神様に質問をします。

 その後おみくじを引くといい。おみくじって悩んでいることの答えが書いてあるんですよ。

 行きつけの日帰り温泉なんかがあるように、私は、いきつけの神社を持つようにしています。

 いきつけ神社の探し方としておすすめなのは、感性や気になる気持ちを大切にすること。

 たとえば、目的地に向かっているのに道を間違えたり電車に乗り遅れたりして。

 その結果、間違って行った場所の近くに聖地があったりして。導かれている感じがありますよね。

 サインってあるんですよね。お知らせ。それに気づこうと常にしているかどうか。

 間違えたー! とネガティブに考えずに、「お、これは、サインかな!?  導かれてる!?」と思う方が人生楽しいですよね。

 私にとってスピリチュアルだなぁと思う場所、聖地、とは、肉体的・精神的チャージができるところ。

 土地自体に地球のエネルギーがあったり、宇宙からのエネルギーが降り注いでるんじゃないか! と思うところとか。

 そういうところって、原始的な自然が広がっていたり、もしくは古代の儀式のあとがあったり、今も神社だったり。

 そこではなんとなく身体に反応がある気がします。

 たとえば、過去にこんな経験がありました。運動不足だったのに、アメリカの聖地シャスタではめきめきと力がみなぎって、ガイドを追いぬくほどのスピードで山を登ってしまった。

 また、諏訪大社のとある御柱のたもとにいたら、背中のいたみが、すーっととれたんですよね。うそっ、怖い! って思いました。

 多くの人は働きすぎたり、たくさんの人に会うと疲れて眠くなる。

 そんなときサプリや飲み薬よりも聖地がおすすめです(笑)。

 無駄と思えることが一番重要だったりする。

「用がなくても、神様とおしゃべりしに神社にいこう(寄り神社)」

「力貸して!と断ってから、公園とか神社の大木に抱きつこう!」

2021.07.15(木)
構成=CREA編集部
撮影=深野未希