松本 グレイになったわけじゃないけど、諦めがち(笑)。

渡辺 じゃあ、グレイヘアの場合、どんなメイクだと似合いますか?

岩上 野宮さんがおっしゃるように、赤い口紅だとか、はっきり何かワンポイントがあるのがいいかなと思います。あとは、今まで前髪がなかった人は前髪を作るとか、ロングの方はバシッとショートにするとか。

一同 なるほど~。

岩上 あと、どんな人にもパーソナルカラーというものがあって、それは、その人自身のお色、お肌の色や瞳の色や髪の色、そこにその人の雰囲気が調和する色のことなんですが、それに合わせた髪の色にするだけでも違うんです。なので、私がご提案しているのは、全てをグレイにしたり、一つの色に染めるのではなく、白髪を肯定的に捉え、パーソナルカラーにあったお色を入れていくことなんです。

 

渡辺 それぞれにあったグレイヘアにする。

岩上 世界に一つだけのグレイヘアを作るんです。

野宮 すごく大事ですよね、ヘアスタイルって。

松本 顔の額縁だもんね。

野宮 いい額縁に入れると、そこそこの絵に(笑)。

松本 よく見える(笑)。野宮さんはグレイヘアにしようとは思わないですか?

野宮 悩んでる。いま61で、いつまで染めるかというのがいまの悩み。グレイヘアは70になってからかなとは思っているけれど。

松本 移行時期は悩みますよね。私はたぶん、全体の2割ぐらいが白髪なんじゃないかなと思うけど。

野宮 私、デビュー40周年ですけれど、デビューした途端、あれ? 白髪? って。だから、20歳そこそこから白髪が出てきて。

一同 へえーっ!

野宮 歌は好きな仕事ですけど、やっぱりストレスがあったのかもねと思うんだけど。でも、染めるほどじゃなかった、20代の頃は。染めるようになったのは、ピチカート・ファイヴをやっていた30代の頃かな。髪はベリーショートで、ステージではいつもウィッグを被っていたし、地毛は赤く染めたりしていたから、白髪染めという気持ちではなかったけれど。いまは、3週間置きに白髪染めしてるけど。

2021.07.15(木)
文=辛島いづみ