沖縄本島・北部に位置する、自然豊かなやんばる地方。
亜熱帯雨林に覆われ、山が連なるこの土地を舞台に開催された「やんばるアートフェスティバル」に、橋本 愛さんが訪れました。
やんばるが実現させたアートと自然の融合

亜熱帯雨林に覆われ、希少な野生生物の生息場所である、やんばる地方。ここでは自然の移ろいに合わせ、人々の暮らしが営まれている。

そんなエリアを舞台に、国内外の作家によるアート作品とやんばるエリアの融合を試みる「やんばるアートフェスティバル」が2017年から毎年開催されている。4回目の開催となった今年のテーマは「山原知新」。

イラストレーターとしても活躍する寺本 愛氏。彼女の描く人物たちは、皆インパクトのある瞳を持ち、時代を超越した衣服を身にまとっている。好奇心を掻き立てられる作風。
自身も表現者である、女優の橋本 愛さんが訪れた。
「視界に空、海、森しか入らないような場所で、アートフェスティバルが開かれていることが新鮮でした。会場となった小学校跡地も、沖縄らしさに溢れている神秘的な場所。

森羅万象すべてのものに精霊が宿っているとする思想「アニミズム」をテーマにした作品。大きな阿波手漉き和紙に描かれた力強い絵は、観る人に強烈なインパクトを与える。
無機質な美術館を巡るのとは違う、ここでしか生まれないアートとの出合いを体感できました。

沖縄県立博物館が所蔵する漆器《朱漆山水楼閣人物堆錦椀》を、染谷氏が自ら「辿り」、トレースした作品。沖縄という土地や歴史を考えるヒントをもらえる。
どこか宇宙を感じさせる寺本愛さんの作品や、小林絵里佳さんの塩ビパイプを使った作品からは、強烈なインパクトをもらいました」

災害などを、鯰や大山椒魚といったモチーフで表現する丹羽氏。今回はそれらが大胆に描かれた和紙の上に、清水焼の窯で制作した作品をあしらったユニークな展示方法を採用。
2021.03.28(日)
Photographs=Tetsuo Kashiwada
Styling=Naomi Shimizu
Hair & Makeup=Ai Miyamoto
CREA 2021年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。