◆中華柄
これがブームの始まり。初心者にも取り入れやすい白地のプリント

 プリントものの箱マスクが注目を集めたのは、2020年9月頃。量販店「愛買」で先行発売された『青花瓷成人醫療口罩』が即完売したのを手はじめに、白いマスクに模様を入れたプリントものが登場。

 『青花瓷』は、有償配給制度用のマスクも請け負う大手「台湾康匠」によるアイテム。スタッフが陶器の街・鶯歌を訪問した際、骨董の花瓶にインスピレーションを得て製作に至ったという。シリーズの好評を受け、春節時には赤色バージョンの“鴻運版”も発売されている。

 また、中秋節には、月と兎をモチーフにしたマスクが登場し、販売員を中心に広く着用された。こうしたシーズナルなプリントマスクは、この後、ハロウィーン柄へと続いていく。写真下の『白鳳蝶』も、白地にプリントという初期の特徴が色濃い1枚だ。

 ちなみに、季節ものを旬のうちに50枚使い切るのは難しいが、行事が終わった後に着けていても問題のない土壌ゆえ、中秋節柄は未だよく見かける。ただ、ここ最近は単価の値上がりもあり、ブリントもののパッケージが少量化している。

2021.03.16(火)
文=堀 由美子
撮影=深野未季