土地の知恵を日々の食事に活かす、郷土料理家・minokamoさんが全国各地で教えてもらった郷土料理を誰もがつくりやすいレシピに仕立て、風土や歴史とともにお伝えします。

 今話題の料理本『料理旅から、ただいま』から、郷土料理のレシピをご紹介します。


海の幸がじんわり沁みる三平汁

こうしてスープ皿に盛り付けるとポトフのよう。
こうしてスープ皿に盛り付けるとポトフのよう。

 日本最北端の地、北海道稚内。稚内とは「minokamo」活動で最初にお世話になった町! ほぼ毎年うかがっています。

 1年を通して海の幸の美味しさ、冬は一面の雪景色に、夏の海や島景色と、魅了される町です。

 冬には鱈もたくさん獲れ、利尻島も眺めることができる海沿いでは一面に鱈を吊るし、棒鱈をつくる風景が見られます。

 その鱈を使った冬の郷土食「三平汁」。今回は、稚内商店街でペットショップ「カナリア」を50年営む、尾崎るり子さんに教えていただきました。

 るり子さんは稚内の出身、子どもの頃から冬になるといつも近所の人が鱈をおすそ分けしてくれて、母親が石炭ストーブに鍋を載せてよくつくってくれたそう。

 みなさんといただくと、うまみがじんわり沁みるやさしい味わいで「べろうま!」(稚内の方言=とても美味しい)酒粕の三平汁もあるそうですが、尾崎家はこの塩仕上げです。

「できたよー。いっぱい食べればいっしょ!」とにっこり。
「できたよー。いっぱい食べればいっしょ!」とにっこり。

2020.12.03(木)
文・撮影=minokamo