「ゴッドタン」など人気番組のプロデューサーとして多忙を極める一方、あらゆるエンタメを追いかけまくっている、佐久間宣行さん。
休みなく更新を続ける巨大なエンタメデータベースの中から、佐久間さん選りすぐりの“偏愛”コンテンツを一挙ご紹介! 各作品についてのコメントもいただきました。
作り手の切実な思いが 伝わってくる作品たち
映画や舞台を観たら、ノートに点数と簡単なメモを付けます。
大晦日か元日に、それを見返して点数順に並べて、自分の年間ランキングを眺めながら酒を飲むのが密かな楽しみ。ノートは、10年分くらいはあると思います。
どんなものでも“面白どころ”を見つけられるタイプの受け手ではありますが、40代半ばにもなると「みんな、人生いろいろ大変だよね」という考え方になるので、なんとなくエモーショナルなものよりも、物語や世界観がしっかりしているものを好むようになりました。もともとミステリやハードSFが好きだというのもありますが。
特に惹きつけられるのは、「この人からアニメを取っちゃったらどうなるんだろう?」と思うような、作り手にとってそれが切実な表現であることが伝わってくる作品。
毎話、毎作、くだらないことでもいいので何かひとつ冒険している作品も、「今回はこんなことを!」と、発見する楽しみがあって、続きが待ち遠しくなります。
学生時代はゲームや読書に無計画に没頭してましたけど、大人になったらそういうことって自然となくなると思っていたんです。でも、最近、翌朝9時から会議があるからそれなりに早めに寝ようと思っていながら、「愛の不時着」(Netflixの韓国ドラマ)を第14話だけ観るつもりがなぜか第16話(最終話)まで観てしまって。
学生時代と変わってない自分に衝撃。子どもができようが、自分を律せられる大人には一生なれないんだなと絶望しました(苦笑)。
【DRAMA】
キャラクターが大事なことをサラリと言う ドラマが好き
◆「マスター・オブ・ゼロ」
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インド系アメリカ人のアジズ・アンサリが、タイトル通り“何も極めていない人”を演じるコメディ。
ネットの情報を読みすぎていつまでもレストランを決められないとか、ひとつひとつのエピソードに共感しちゃいます。
![エミー賞を受賞した「サンクスギビング」の回が、まあ素晴らしい。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/f/-/img_bf0348983123717f3fb489790b7d4b7094981.jpg)
マスター・オブ・ゼロ
Netflixオリジナルシリーズ 「マスター・オブ・ゼロ」シーズン1~2独占配信中
https://www.netflix.com/jp/title/80049714
◆「マーベラス・ミセス・メイゼル」
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今よりも女性差別があった1960年代に、主婦がスタンダップコメディアンになるお話。
主人公とマネージャーのスージーの掛け合いが良いし、とにかくキャラクターが最高。コメディなので吹き替えで観るのがおすすめ。
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マーベラス・ミセス・メイゼル
Amazon Prime Videoにて独占配信中
https://www.amazon.co.jp/dp/B08BYY9RZR
日本のテレビドラマは 木皿 泉脚本作品がめちゃくちゃ好き
◆「Q10」
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「ロボット(前田敦子)と、普通の高校生(佐藤健)の恋を描くジュブナイルもの。木皿 泉さんにしか書けない世界観。大事なことを大事なテンションで語らない。
池松壮亮くんと高畑充希さんのエピソードも素晴らしい」
Q10
Huluで配信中
https://www.hulu.jp/q10-cute
◆「すいか」
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シナリオ本も全部読むほどめちゃくちゃ好きなドラマ。木皿さんの作品は、“世界”に対するまなざしがすごい。
第1話に出てくる「居てよしッ!」とか、たくさんの名台詞を今でも何度も思い返しちゃいますね。
すいか
Huluで配信中
https://www.hulu.jp/suika
2020.08.02(日)
Text=Takako Sunaga
CREA 2020年6・7月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。