無数の地蔵が祀られた「賽の河原」

 二ツ亀から西へ遊歩道で結ばれているのが「大野亀」。海抜167メートルの一枚岩が海に面してそびえる岬で、てっぺんからは外海府を一望することができます。

 初夏には100万本ものトビシマカンゾウの花で、一面オレンジ色に染まるそうです。

 ちなみに佐渡島は、植物の境界線である北緯38度が走り、南北両系の植物が1,700種も自生する、ユニークな環境でもあります。

 この2つの浜の途中の願(ねがい)集落には、無数の地蔵が祀られた「賽の河原」があります。ふと、青森県の仏ヶ浦の地蔵群を思い出しました。圧倒的な景観の近くには、異世界に続く門があるのでしょうか。

 2つの地名につく「亀」は、アイヌ語の“カムイ”から来ているという説も。カムイとは“神”という意味を持ち、この一帯はパワースポットだそうです。

2020.07.04(土)
文・撮影=古関千恵子