数ある映画やドラマの中で、心底好きといえる作品に出合うことはきっと奇跡に近いこと。
そんな作品と巡り合った選者が、愛する作品の魅力をナビゲート。鑑賞するときに欠かせないおともも要チェックです。
今回の選者は、作家の松田青子さん。幼少の頃から心惹かれているのがミュージカル映画。
好きな作品は何度も観て、サウンドトラックも聴き込むのだそう。そんな松田さんが、筋金入りの愛を寄せるのはこの4作。
体に染み込むほど素敵な音楽
『メリー・ポピンズ』
●ストーリー
舞台は1910年代のロンドン。いたずら好きの姉ジェーンと弟マイケルが暮らすバンクス家に、不思議な魔法を使えるナニー(乳母)、メリー・ポピンズがやってくる。
「原作の児童文学も大好きで、幼い頃は、子どもたちに新しい世界を見せてくれる不思議なナニー、メリー・ポピンズに本当に夢中でした。
楽曲が体に染み込んでいるんじゃないかと思うくらい、ただただ大好きな作品です」(松田さん)
『メリー・ポピンズ』
監督 ロバート・スティーヴンソン
出演 ジュリー・アンドリュース
1964年
ディズニープラスで配信中
© 2020 Disney
アウトサイダーとしての女性の生きざま
『サウンド・オブ・ミュージック』
●ストーリー
自然豊かなオーストリアを舞台に、シングルファーザーの家庭で家庭教師をすることになった修道女と、子どもたちの交流を描く。
「ジュリー・アンドリュース演じる、やんちゃではみだしものの修道女が、母を亡くした子どもたちと音楽を通じて心を通わせる作品。
今思うと、彼女が体現する、アウトサイダーとしての女性の姿に惹かれていたんだと思います」(松田さん)
『サウンド・オブ・ミュージック』
監督 ロバート・ワイズ
出演 ジュリー・アンドリュース
1965年
Blu-ray 1,905円
発売元 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
情熱的に生きることの素晴らしさ
『リトル・ダンサー』
●ストーリー
炭鉱町で暮らす少年はバレエと出合い、たちまち夢中に。彼が親の反対や、好奇の目にさらされながらも、ダンサーへと成長していく姿を綴る。
「昔気質な炭鉱夫の父親に反対されながらも、バレエに魅了され、バレエダンサーを目指す少年ビリーの物語です。
古臭いジェンダー規範よりも、自らの情熱に導かれるまま生きていくことを選んだ少年の姿に涙が止まらない」(松田さん)
『リトル・ダンサー』
監督 スティーヴン・ダルドリー
出演 ジェイミー・ベル、ジュリー・ウォルターズ、アダム・クーパー、ゲイリー・ルイス
2000年
◎松田青子さんの「映画のおとも」
カフェインレスのルイボスティーを飲みながら鑑賞。英国が舞台の作品を観るときは「romi-unie」のショートブレッドと一緒に。
心底好きといえる
プロが選ぶ傑作ドラマ&映画
2020.07.07(火)
Text=Keisuke Kagiwada
Illustrations=Miltata
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