虚飾をすべてそぎ落とした後に 人やモノの本質が見えてくる
16~17世紀の天文学者で占星術にも精通したヨハネス・ケプラーは、天上の惑星が奏でる音楽を聴いたとか。
2020年、土星と冥王星が天空で怪しげな音楽をかき鳴らすと、政府や大企業、そして私たちも身にまとっていたものを1枚、1枚と脱ぎ捨てるダンスを踊らされることになります。
最終的にはお腹や背中のハミ肉を隠す矯正下着も剥がされて、「これって私の本当の姿!?」とバツの悪い思いをすることになるかもしれません(不本意なストリップショー?)。
G7に参加する先進国であるはずの日本。ところが他の国に比べて各種支援金や給付金の対応がイライラするほど遅い、アベノマスクがいつまでたっても届かない、とはいえコロナによる死者の数が圧倒的に少ない、医療従事者の献身的な働き、ギリギリのところで医療崩壊が抑えられているなどといった現実が、よくも悪くもはっきりと見えてきています。
個人に目を向けると、会社の未来が予測できない、既に雇い止めや給料の減額、収入の目減りが必至。かつてない非常事態に人間関係にも微妙な変化があり、不安とストレスで押しつぶされそうな日々もあるでしょう。
この土星と冥王星が私たちに投げかける厳しい課題をクリアするには、外の世界で起こる出来事にばかり焦点を当てるのではなく、自分の内面と真摯に向き合うことです。
「私ってどういう人?」「本当は何がしたいのか」「私に出来ることは何か」。そういう本質的なことに触れることが、未来へと続く道に辿り着く唯一の方法です。
2020.05.23(土)
文=岡本翔子