昔ながらの町並みと豊かな自然が残る宜蘭は、時間の流れがゆるやかで、レトロなスポットがいっぱい。

 ローカル列車に揺られて、気ままな日帰り旅へ。


古い町並みと レトロな時間を求めて

#02 宜蘭(yilan)

 台湾の北東部に位置し、山と海に囲まれた宜蘭。

 台湾では、グルメや温泉の町としても有名で、台北から日帰り旅を楽しむ人が増えている。

 今回は、レトロな時間を求めて宜蘭を巡る列車旅へ。

 まず向かったのは、礁溪溫泉。古きよき温泉街の風情が残る町だ。

 地元の人で賑わう飲食店が軒を連ねる中、ひときわ活気のある「清珍早點」で朝食をとることに。

 日本語は一切通じないけれど、店の人たちがあれもこれもと、おすすめを教えてくれて、おなかも心もいっぱいに。

 溫泉公園では地元のお年寄りに交じって足湯をしたり、人気店の豆花もしっかり味わって、礁溪溫泉をあとにした。

 電車に揺られて、次に向かったのは宜蘭駅。

 宜蘭は台湾で有名な絵本作家・幾米の生まれ故郷で、宜蘭駅周辺には彼の作品にちなんだオブジェやアートが点在し、ファンタジックでどこか懐かしい。

 宜蘭から再び列車に乗り、最後は羅東へ。目指すは、この旅で一番来たかった「羅東聖母升天堂」。

 パステルカラーに彩られた教会は、絵本の中から飛び出したような愛らしさ。

 床も椅子もピカピカに磨き上げられていて、大切にされてきた歴史が建物に刻まれている。

宜蘭

●台北からの行き方
台鉄台北駅から台鉄宜蘭駅まで約75分。宜蘭駅から羅東駅まで約6分、礁溪駅まで約7分。高速バスの場合、台北轉運駅から宜蘭まで約70分。羅東、礁溪行きもあり。

2020.04.19(日)
Text & Edit=Chiaki Tanabe(Choki!)
Photographs=Nanae Suzuki
Coordination=TOP TAIWAN MEDIA FACTORY
Cooperation=Taiwan Tourism Bureau

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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