Point6 フラッシュ撮影は慎重に

 暗い場所にいる猫を撮りたくても、至近距離で強いフラッシュを焚くのは厳禁。猫の眼を痛めてしまうおそれがあります。

 人間でも、真っ暗闇のなか、顔のすぐ前でフラッシュを焚かれたら、目に悪影響が出るのと同じことです。

 私の場合は、日中の逆光状態のときなどには、発光部に乳白色の拡散ボックスを取り付けて使うことがたまにあります。

 あと、室内で壁や天井が白い場合は、発光部が可動式のフラッシュの場合、白い壁や天井に向けて発光させて、間接光にして使用することがあります。

 フラッシュにつきましては、使うときの状況判断や設定に自信がないときは、使用を避けるのが賢明かもしれません。

 最近の一眼デジカメ、コンパクトデジカメ、スマートフォンなどは、暗いところでも撮影できるように高感度の性能になっていたり、手ブレ補正なども搭載されておりますので、普通に生活している部屋くらいの明るさでしたら撮影は可能です。

 私の場合、最近は夜に撮影するときは、Amazonなどで売られております、光量調整ができる「ムービー用LEDライト」を使用しております。

 もちろんそのまま使うのではなく、自分の顔の前で点灯させて眩しさを確認してから、乳白色のビニールやトレーシングペーパーなどを貼ったりして、光を柔らかくするなどの工夫をしております。

 たくさんの種類の商品がありますので、現在でも試行錯誤中です。

 スマートフォンの場合は、発光部が乳白色になって光量調整ができるスマホライトなども100円ショップで売られていたりしますので、目にキャッチライトを入れるときに利用できます。

 使うときのポイントとしては、最小の光量から徐々に明るくして、猫が明るさに慣れるようにして使いましょう。

Point7 室内なら「レフ版」を使用するのも手

 飼い猫を部屋の中で撮影するときは、「レフ版」を使用するのも方法のひとつです。

 カメラ屋さんなどで売られている折り畳み式の商品もありますが、身近な物でも代用することは可能です。

 100円ショップや文具店などで売られている白い発泡スチロール製のボードや、生鮮食品などの輸送で使う発泡スチロール製ボックスの蓋など、白い板状の物であれば何でも「レフ版」として使えます。

 猫の前で「レフ版」を持って、天井からの光を反射させて当ててあげると明るくなります。

 猫は好奇心の塊ですので、最初のうちはパンチしたり引っ掻いたりなどでボロボロにされると思いますが……いずれ飽きるでしょう(笑)。

» 後篇へ続く(2月23日公開予定)

佐々木まこと(ささき まこと)

動物写真家。1968年北海道江別市生まれ、大阪府堺市在住。大阪芸術大学芸術学部写真学科を卒業後、同大学研究室に勤務。その後、1999年よりフリー。「わんこ」「にゃんこ」「どうぶつ」を関西圏を中心に全国津々浦々で神出鬼没にてストーカー撮影中。個展やグループ展などにも多数出展。著書に『ぼく、となりのわんこ』(オークラ出版)、電子書籍『となりのわんこ。vol1~vol.3』(鈴屋出版)がある。最新写真集は『のらのいる風景』(鈴屋出版)。

Column

佐々木まことの犬猫脱力写真館

佐々木まことさんは、主に街をメインフィールドとした動物写真家。これまで、日本の津々浦々を散歩しながら撮りためた犬や猫の写真は、ゆうに100万枚を超えます。この連載では、その中から厳選した傑作の数々を一枚ずつご紹介していきます。

2020.02.22(土)
撮影・文=佐々木まこと