がん発覚から1年
「ミレーナ」を導入した理由
そうして生理滅亡の危機を味わった私でしたが、がん発覚から1年になろうとする先月、「子宮内黄体ホルモン放出システム」こと「ミレーナ」を導入しました。今月の生理がきていないのは、このミレーナの作用です(※すべての人に月経がなくなるわけではなく、個人差があります)。
知り合いの方がミレーナ経験者で、「めっちゃいいよ!」とすすめられて初めて知ったこのシステムは、ピルと避妊リングのいいとこ取りをした「子宮内器具」のこと。
生理トラブルを軽減してくれるピルの治療薬的メリットと、入れっぱなしでOKという避妊リングの楽ちんさを兼ね備え、最長5年間、その効果が持続します。
そして保険適用ならば1万円ほどですむので、ピルに比べても格段に安い。適用外だと約4~5万円のようですが、年間1万円で5年間、生理の憂鬱やナプキンから解放されるなら、その価値はあるのではないでしょうか。
せっかく滅亡の危機を免れ、再開した生理とさよならしたのは、やっぱり今の自分には必要がないなと思ったからです。
というのもがんの再発リスクがあるため、病気発覚から5年間は妊娠してはいけないのです。となれば子宮に妊娠の準備をさせる必要もなく、妊娠しなかった結果報告である生理は、やっぱり今の自分には必要なかったのでした。
そんな状況で観た
映画『生理ちゃん』で感じたこと
そんな状況で観た映画『生理ちゃん』で感じたのは、月並みになりますが、女性は本当に身体を大切にしてほしいな~ということです。
映画の中でも腹が痛いのに猛ダッシュで仕事先を駆け回ったり、眠気をこらえてデスクワークに励む姿が描かれていました。
あと大好きなシーンでもあるのですが、自分のしんどさを忘れて彼氏の連れ子のためにキャラ弁をこさえたり、デートのためにホコリをかぶっていた化粧品を引っ張り出したりと、往々にして女性はかいがいしく、誰かの喜ぶ顔を考えると、どこまでも没頭してしまう。
目頭熱くなるいじらしいシーンなのですが、特に公私にわたってフルスロットルな青子には、「頼むからもう休んでくれ」と声をかけたくなりました。
そもそも「痛い生理」というのは、婦人科に行くべしというサインです。毎月毎月パンチしてくるような生理ちゃんは、「もしかしてなにか伝えたいことがある?」と考えたほうが良いと思います。
自分の生理は慎ましい方だったと書きましたが、今思えば寝食を忘れて働いていたサラリーマン時代は、生理が2カ月こないなんてざら。慎ましいというか、もはや沈黙されていた時期がかなりありました。
当たり前ですが、こんなのももちろんNGです。生理のあるみなさんには、ぜひ自分の生理ちゃんとコミュニケーションを密にとってほしいと思います。
映画『生理ちゃん』
2019年11月8日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次公開
配給:吉本興業
©吉本興業 ©小山健/KADOKAWA
https://seirichan.official-movie.com/
※こちらの記事は、2019年11月9日(土)に公開されたものです。
記事提供:文春オンライン
2019.11.17(日)
文=小泉 なつみ