おとぎの国のようなかわいい街並みが広がり、おしゃれな北欧デザインがたくさん見つかるデンマーク。人口約580万人、面積は北海道の半分くらいの小さな国ですが、ここ数年、世界を魅了するキーワードが続々の国なのです。
今、デンマークには
気になるキーワードがいっぱい!
首都コペンハーゲンには、世界中の美食家たちが一度は行ってみたいと憧れるレストラン「ノーマ(noma)」がありますし、最近話題のキーワードといえば、「ヒュッゲ(HYGGE)」。
ここ数年欧米で大ブームとなり、日本でも雑誌で特集されたり、書籍が出版されたりしています。
さて、そのヒュッゲ。いろいろな解釈があるようですが、シンプルにいえば、それぞれの人が大切にしている「幸せの法則」だったり、「至福の瞬間」だったり。
なにか特別なことをするのではなく、日常のなかで感じるささやかな幸福。ゆったり、ほっこり、まったり……、そんなあれこれを大切にするライフスタイルといった感じでしょうか。
たとえば、家族や友人、恋人と自然体で過ごす穏やかな時間、自宅でアロマキャンドルを灯してリラックスするひととき、ホットドリンクでほっとひと息つく瞬間……。
100人の人がいれば、100通りのヒュッゲがあると言ってもいいかもしれません。
幸福度ランキングで
常にベスト3に入る
ハピネス大国・デンマーク
そんなヒュッゲを何より大切にするお国柄、国民性だからでしょうか。国連が発表した2019年版の世界幸福度ランキングで、デンマークは世界156カ国中の2位となりました。
2012年から発表されているこのランキングで、デンマークはこれまでに1位となったこともあり、常にベスト3のなかにいます(ちなみに日本は今年58位でした)。
そのほかにも、デンマークはさまざまなランキングで上位をキープしています。(以下カッコ内は日本の順位)
【デンマークのランキング】
・教育に対する公的支出(2016年):3位(40位/43カ国中)
・国民1人あたりの社会保障費(2018年):4位(14位/36カ国中)
・世界平和度指数(2019年):5位(9位/163カ国中)
・報道の自由度(2019年):5位(67位/180カ国・地域)
さらにサステイナブル、オーガニック、エコロジーの分野でも、デンマークはとても先進的です。
コペンハーゲン市では、CO²の排出と吸収をプラマイゼロにする「カーボンニュートラル」を2025年までに実現するという目標を立てています。
市民の生活のなかでは、多くの人々が自転車を使っていて、国民1人あたりの自転車保有台数も世界3位。自転車専用道が整備され、自転車を中心としたエコな街づくりが進められています。
また、国民1人あたりのオーガニック食品の消費額も、デンマークはEUのなかでトップクラス。とくに若い人々の間では、オーガニックは当たり前のものとなっているようです。
学校ではオーガニックにまつわる食育が行われ、政府もオーガニック農業の支援に乗り出しています。スーパーに行けば、デンマーク語でオーガニックを意味する「Økologi」の記された食品がたくさん見つかります。
2019.06.14(金)
文=矢野詔次郎