好奇心くすぐる
メルボルンのカルチャースポット

 旅をさらに上質なものにしてくれるのが、知的好奇心くすぐるカルチャースポットだ。

 1880年開催の万国博覧会会場として建てられた、オーストラリア初のヨーロッパ建築で、内部に施された壁画が美しい王立博覧会ビル(ロイヤルエキシビションビル)とカールトン庭園は、オーストラリア初の世界文化遺産。

 オーストラリアの世界遺産は、ほとんどが自然遺産だったが、ここは西洋建築・景観設計として、初めて単独で文化遺産に登録されたという。

 カールトン庭園の園内には芝生の広場や遊歩道、噴水などが整備され、市民の憩いの場にもなっている。

 そして世界有数の美しい図書館としてその名を馳せるのが、ビクトリア州立図書館だ。国内最大級の規模を誇り、その蔵書は150万冊を超えるとも。

 放射線状に配されたロングデスクが印象的なのは、図書館の中心部となるラ・トローブ・リーディング・ルーム。

 またここには書物以外にも絵画など多くの美術品が展示されているので、本好き、美術好きなら一日中でもいられそうだ。

世界に誇る
アートコレクション

 メルボルンには、世界各国、そして新旧オーストラリアの芸術に触れることができる美術館も。その筆頭はビクトリア州のアート特区の中心的存在、1861年開館のビクトリア国立美術館(NGVインターナショナル)だ。

 NGVインターナショナルは、エジプトの古代遺物から、16世紀~20世紀のヨーロッパの絵画や彫刻、工芸品、近代のコンセプチュアルアートまで幅広いコレクションを所蔵。

 ビクトリア国立美術館のコレクションのうち、オーストラリア国内アート作品のみ2万点を持つのが、イアンポッター・センター。こちらではアボリジナルアートからコンテンポラリーまで、国内を代表するアーティストの作品を展示している。

2019.03.15(金)
構成・文=立花奈緒(ブレーンシップ)