出産にはいろいろな助成金があるのをご存知?

 こうしてみると、出産にはお金がたくさんかかりそうですよね。ただし、現在は少子化対策のおかげで、国や自治体が負担してくれるお金がたくさんあります。

○妊婦健康診査費用助成
 現在、妊婦健康診査費用の補助事業が行われています。これは、14回分の健診代を公費で補助してくれるというものです(平成25年3月31日までの実施は決定していますが、それ以降の実施は現在未定)。ただし、この助成は、各自治体によって補助の回数や金額にかなりの違いがあります。お住まいの自治体のホームページなどで、支給の状況を確認してみてください。また、「里帰り等妊婦健康診査費用助成」という里帰り出産をする人のための助成を実施している自治体もあります。

○出産育児一時金
 健康保険から支給されるお金で、赤ちゃん1人につき42万円が支給されます。出産費用をいったん病院に支払い、健康保険組合などに出産育児一時金を請求してお金をもらう方法のほかに、出産育児一時金を超えた分の出産費用を医療機関の窓口で支払う方法もあります(直接支払い制度)。後者を利用したい場合は、出産する病院に前もって確認をしておきましょう。

○出産手当金
 産休中のお給料を受けられないときの保障として支給されるお金です。支給金額は、日給(月給÷30)×2/3×産休の日数分(原則は産前産後の98日分)相当です。たとえば、月給が28万円の方ですと約61万円支給されることになるので、家計を大きく助けてくれそうですよね。ただし、一般的には産休後に支給申請するため、産休中の生活費にはあてることができません。産休に入る前に、産休中の家計のやりくりについて考えておくと安心です。
 また、この助成金は、健康保険に加入していて産休後も仕事に復帰する予定のある方に対してのみ支給されるものです。退職して任意継続されている方や国民健康保険の加入者への支給はありませんのでご注意を。

○医療費控除
 医療費が1年間に10万円を超えてかかった場合に、所得控除を受けることができる制度です。これにより、税金の一部が戻ってくることもあります。定期健診や検査などの費用も医療費控除の対象になりますので、健診などの領収書は必ずとっておくようにしましょう。

○高額療養費
 正常分娩の場合は健康保険が適用されません。しかし、切迫早産や帝王切開などで入院・手術が必要になった場合は、健康保険の対象になります。医療費が高額(9万円前後が一般的な目安)になった場合は、高額療養費制度を使って医療費の一部を払い戻すことができます。出産以外で医療費が高額になった場合にも使える制度です。

 このように、出産にはいろいろな助成金や制度があります。すべて申請手続きが必要になりますので、忘れずに申請するようにしたいものですね。

Column

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2012.10.07(日)
text:Yoko Hanawa
photograph:Mami Yamada / Tadashi Shirasama