キッチンはホームページがわり

 多くのゲストを受け入れたいという思いから、リノベーションのプランはキッチンが中心に。

 キッチンカウンターは生活感が出ないように、美しいステンレスを天板に選び、大きな家具のようなイメージで造作してもらった。そのカウンターと高さを合わせてテーブルもオーダー。

 たくさんある調理道具や器、カトラリーは、壁一面に設けられた棚に収納している。

「壁ってすごく目につきますよね。『きれいなデザインにしないとだめだよ』と言う建築家の松島潤平さんの提案で家具職人の方につくってもらいました。僕は和の雰囲気が好きなので、千本格子や欄間のような要素が入っています」

 素材は、ラワン合板と有孔ボード。ラワン合板はラフな質感ながら、塗装次第でシャープな印象に仕上げられるとか。

 「有孔ボードにはフックがかけられるから、大きな植物を吊るして楽しんでいます」と桃子さん。

 自宅を事務所にもしている2人。キッチンテーブルをデスクに、商品開発の打ち合わせや実作業も行っている。

「僕たちのやりたいことや好みが詰まったキッチンは、『てとてと』にとってオフラインのホームページのような存在でもあるんです」

●紹介してくれたのは……
井上豪希(いのうえ ごうき)さん
井上桃子(ももこ)さん

料理家・プロデューサーの豪希さんとライフスタイルデザイナーの桃子さん夫妻でTETOTETOを設立。自宅での知人などを中心とした「てとてと食堂」が口コミで人気に。

居心地がいい部屋は
キッチンが生きている

2018.12.15(土)
Text=Tomoko Yanagisawa
Photographs=Tamon Matsuzono

CREA 2019年1月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

居心地のいい部屋。

CREA 2019年1月号

巣ごもりしたくなる、幸せ
居心地のいい部屋。

定価780円

好みや条件は人ぞれぞれでも、「このままずっとこもりたい……」と思えるような部屋だと、結構幸せな気がします。キーワードは「居心地のいい部屋」。お宅拝見からアイテム選びまで、新しい年を気持ちのいい部屋で迎えるヒントが詰まった1冊です。