実はハードなパドルサーフィン

アラモアナの午前中がベストスポット。レジェンドサーファーのチャイナ・ウエムラさんもここでレッスンをやっています

 ところが、見るのとやるのとでは大違い。サーフボードに立って、パドルを漕いで前に進むという一見シンプルな動きですが実際にやると――まずバランスを取りながら、パドルをきちんと持って、海に深く沈めて大きく正確にかき、その作業をしつつ、進行方向を見定め、時には、パドルを逆にかいて方向転換をし、と、なんだか忙しい。

 その動きをするために、太もも、首、ひざなどの筋肉がびしびしと使われているのを感じます。翌日には脇腹から肩甲骨のあたりまで筋肉痛。とほほ、日頃の運動不足もありますが、パドルサーフィンはインナーマッスルをまんべんなく鍛え、しかも、体幹運動の最たるものでかなりのエクササイズ効果があるのだそう。

今ではパドルサーフィン専用のボードができて、大きく、長いので安定性が高い

 諸説ありますが、もともとは60年代にハワイのビーチボーイズたちがお遊びではじめたというのが主流。そして、その後有名なプロサーファーたちが、ビッグウエーブのトレーニングとして取り入れたことで、ますます広がっていったとも聞きます。

 波がなくても、風がなくても楽しめて、エクササイズ効果もある、そして、なによりも、自分と向き合えるスポーツかもしれません。青い大きな海の上にまっすぐ立って、あごをあげてまわりを見ると雑念が吹き飛んでいく気がします。

子供から大人までが楽しめるスポーツ

 もうそれだけで自分の体の真ん中に一本大きな線が通ったような気持ちよさ、潔さを感じます。今の私には、そのあとにパドルをこいだり、海に落っこちないように必死にバランスを取って、という作業が残っているけれども、もっと上手くなったら、サンセットビーチで見たあのおじさんパドルサーファーのように、たゆたゆと海を行きながら、サンセットを眺めて、シルエットになれるだろうか? そのためにはずっと続けて、一生の趣味にできたらいいなと思っています。

Column

工藤まやのおもてなしハワイ

ハワイに暮らすお洒落コーディネーター工藤まやさんが、“おもてなし”の気持ちを込めて、ハワイの気持ちのよい空気感たっぷりの話題をお届けします。

2012.09.18(火)