近現代を生きるすべての人に
風景美の原型を教えた作品

《ソマーヒル、トンブリッジ》 1811年展示 エディンバラ、スコットランド国立美術館群 (C)Trustees of the National Galleries of Scotland.

 国民的画家と呼ばれる存在はどの地域にも存在する。

 英国ならばまずもってその称号はジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーに冠せられる。場の空気まで捉えんとする彼の風景画は、次代の印象派画家たちにも大きな影響を及ぼした。

 英国はもとより、近現代を生きるすべての人に風景美の原型を教えたターナーの作品を、体系立てて観られる機会が訪れている。約120点もの水彩、油彩、版画を堪能したい。

『ターナー 風景の詩(うた)』
会場 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館(東京・新宿)
会期 2018年4月24日(火)~7月1日(日)
料金 一般 1,300円(税込)ほか
電話番号 03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.sjnk-museum.org/

山内宏泰(やまうち ひろやす)
ライター。著書に『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)ほか。「写真を読む夜」「文学ワイン会 本の音」などの催しも主宰。新刊に『文学とワイン』(青幻舎)。
https://twitter.com/reading_photo

Column

山内宏泰のこの1枚に会いたい!

美術、写真、文芸その他について執筆するライター、山内宏泰さんがナビゲート。いま見逃せない美術展をテーマに沿ってご紹介する、アートの“ななめ歩き”の提案です。

 

2018.04.23(月)
文=山内宏泰

CREA 2018年5月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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