日本庭園を抱く
純和風温泉旅館
同じ伊東にあっても「星野リゾート 界 アンジン」と「星野リゾート 界 伊東」ではまったく趣が違う。今回の旅は“界めぐり”ということで、2泊目は「星野リゾート 界 伊東」へ。ロビーの前の手入れの行き届いた日本庭園、池に泳ぐ鯉、これぞ和の雰囲気だ。
間取りが異なる全30室の客室は、とても広々した畳敷きのお部屋でほっとする。ほぼすべてが次の間を備えているのもうれしいところ。地域文化が感じられる“ご当地部屋”には伊豆・稲取の「つるし飾り」が下がっている。赤椿、白椿の2種類が、それぞれの名前が付いた2つの部屋で展開されているのだ。
伊東市の花木である椿は、この宿のテーマでもある。椿の種を搾って椿油づくりを体験。お肌にしっとりと馴染む椿油は、別料金の椿ボトルに入れて持ち帰ることもできる。
源泉かけ流しの温泉は、毎分600リットルの湯量を誇り、古代檜の内風呂と野趣豊かな滝の流れる露天風呂、日本庭園そばの足湯、そして子供にも大人気の源泉プールにも使われている。
いい湯に浸かったら、いよいよお食事。「星野リゾート 界 伊東」の和会席のメインは“金目鯛のぐり茶蒸し”。茶の香ばしい香りが脂ののった金目鯛を生かす、伊東らしい一品だ。
2017.08.27(日)
文=小野アムスデン道子
撮影=平松市聖