伝統を踏まえた
センスのよいモダンな器を
じっくり鑑賞して手に入れる

昔は窯元の看板の役割も担ったレンガの煙突。焼きものの里・有田を象徴する風景。

 2016年に創業400年を迎えた、日本の磁器発祥の地、有田。毎年GWに陶器市が開かれ、多くの人が訪れることでも有名だ。

 焼きものは大きく陶器と磁器に分けられるが、粘土が主原料の陶器に対し、有田の焼きものは陶石を原料とした磁器で、陶器に比べて薄く、硬く、透明感のある素地が特徴。すでに陶器があった17世紀に、渡来した朝鮮人陶工が泉山磁石場を発見し、中国の磁器からの模倣の時代を経て、17世紀後半にはヨーロッパに輸出され、高い人気を誇ったという。

泉山磁石場。

 このような古い歴史をもつ有田焼だが、伝統を継承しつつも、今のライフスタイルに合うアイテムが次々と生まれている。

 「In blue 暁」の百田暁生さんの作品は、色も形も四季折々の自然から着想を得て作陶。一方、今村肇さんが営む「今村製陶 町屋~JICON~」にはデザイナーの大治将典氏とのコラボで生まれた、シンプルで優しく、日常を心地よくしてくれる器が並ぶ。

 また、山本亮平さんは「初源伊万里」といわれる磁器誕生前後を見すえながら、独自の作風でやわらかく温かみのある器を作る。どの作品も手にとってみると、自分の暮らしを豊かにしてくれる何かが潜んでいることが伝わってくるのだ。

GWには多くの人が訪れる有田。

2017.08.10(木)
Photographs=Yumiko Shimosoyama

CREA 2017年8月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

夏休みと、ごちそう。

CREA 2017年8月号

47都道府県の旅で見つけた
夏休みと、ごちそう。

定価780円