器とカレーと温泉!
知られざる佐賀を満喫する3日間
九州のどこに位置するのか? 多分、福岡県に近い北の方では? と判然としない一方で、有田の器、嬉野の温泉やお茶は全国に名を轟かせている佐賀県。最初から軽くディスってしまったが、魅力的なものがいっぱいあるのに、控えめな印象がぬぐえない。県名よりもエリア名のほうが有名な佐賀になぜか魅かれて、2泊3日の旅を決行した。
今回の目的は、昨年、創業400年で盛り上がった有田の焼きもの巡りと、ウワサに聞いたおいしいカレーを食べること、そして日本三大美肌の湯として誉れ高い、嬉野温泉だ。佐賀空港からレンタカーで走り出すと、麦畑や田んぼがあたり一面に広がり、ここは農作物が豊かに育つところだと気づかされる。道中、武雄に立ち寄って樹齢3000年の大楠を見学。巨木の周囲に漂うなんともいい“気”にあやかりたい。また、武雄市の画期的な図書館でひと休みするのもおすすめだ。
嬉野温泉では、まず豊玉姫神社に祀られた美肌の神様のお遣い「白なまず」に挨拶してから湯巡りへ。蒸気で温める足蒸し湯は、九州では嬉野と別府だけという珍しいもので、足湯しながら地元の人とのおしゃべりも、旅の楽しみのひとつとなる。温泉三昧の合間には、うれしの茶で水分補給を。ほどよい甘みと旨みが沁みわたり、おみやげにも買って帰ることにする。
有田のメインストリート、内山地区では、明治期の洋館やモダンな町屋などの建築を眺めながら、ギャラリーや老舗窯元で器を探す楽しみが待っている。吟味してお気に入りをみつけてほしい。そしてカレーはといえば、欧風、インド風、カフェ風、とタイプはさまざまでも、共通するのは素材のよさ。農作物のレベルの高さが料理に表れていると実感した。
帰宅して、手に入れた有田の器でうれしの茶を飲みながら、肌をさすると、すべすべと温泉効果が続いているような気がする。また行きたいな、佐賀。控えめなのは本当でしたが!
伝統とモダンが織り成す逸品
暮らしを潤す器を求めて有田へ
日本の磁器発祥の地として、今年で創業400年を迎える有田。粘土を主とした陶器に比べると、薄く、硬く、透明感のある有田の焼きものは、17世紀後半にはヨーロッパに輸出され高い人気を誇ったという。今回、その伝統を継承しつつも、今のライフスタイルに合わせた美しい器を作る陶芸家の工房を訪ねてみた。
» 詳細はこちら
かつてはルウ消費量全国1位!
佐賀のハイレベルな絶品カレーを味わう
佐賀はカレールウのベースとなる玉ねぎの生産量が全国2位で、ルウ消費量がかつて全国1位になったこともある。カレー好きの県民性だからこそ、決して手を抜かないこだわりのひと皿に仕上げる。今回巡った4店のいずれもハイレベルな絶品カレーには、質の良い素材や吟味されたスパイスなど、料理人の熱いメッセージが溢れていた。
» 詳細はこちら
まるで美容液に入っているかのよう!
日本三大美肌の湯、嬉野で温泉めぐり
無色透明でとろけるような嬉野温泉のお湯は角質化した皮膚を滑らかにし、飲めば胃腸や肝機能などを活性化させる効果もあるらしい。そんな効能豊かなお湯が湧き出る嬉野は江戸時代の宿場町の風情が残る街。多くの宿泊施設で立ち寄り湯や日帰り入浴を楽しめて、見どころも、おいしいものも盛りだくさんの街なのだ。
» 詳細はこちら
●Saga 3days
周遊するなら、佐賀空港からレンタカーを。焼きもの巡りをするなら車が便利。各観光スポットには佐賀駅からJR線、佐賀駅バスセンターから路線バスを利用しても。目指す場所によっては、福岡空港、長崎空港からのほうが便利な場合も。
[Day1] 佐賀空港に着き、武雄市を観光し、嬉野でお茶を楽しみ、立ち寄り湯のあと、嬉野泊
[Day2] 有田町観光。焼きもの三昧ののち、嬉野泊
[Day3] 嬉野の吉田皿屋でトレジャーハンティングののち、佐賀市へ移動してカレーを楽しみ、佐賀空港から帰途に
●協力
さが移住サポートデスク
電話番号 0952-25-7551(佐賀・福岡)/090-1657-8205(東京)
http://www.sagasmile.com/
2017.08.10(木)
Photographs=Yumiko Shimosoyama