部屋のリクエストで地獄が天国に?
(4) 部屋のリクエストなどはできるだけに具体的に
ホテルの部屋は一つひとつ条件が異なります。安い部屋よりも高い部屋のほうが条件がよいのは当たり前のことですが、同じカテゴリーでも眺望や静寂さなど、差があるのが事実。
そこでホテルの部屋のリクエストはできるだけ具体的に出しましょう。細かければ細かいほど、ホテルはその条件にあわせようと努力するはずです。
部屋については、多くの場合チェックインに訪れた時点で決まっていることが多いので、勝負はその前。メールで必ず部屋のリクエストを出しましょう。
逆にいえば何もリクエストを出さないかぎり、こだわりがない客だと思われて、最悪の部屋をあてがわれても文句はいえません。
かつてニューヨークへ往復航空券+ホテル3泊で33,333円という激安のフリーツアーに参加した際、チェックインは客が個々で行いました。
その際高層階の静かな部屋をフロントにリクエストすると、すんなりその通りにしてくれました。
帰国時、ツアーに参加したほかの人に話を聞いたところ、あてがわれた下層階はかなりうるさかったと嘆いていました。一言つけくわえるだけでホテル滞在は地獄にも天国にもなります。
(5) アーリーチェックインとレイトチェックアウトを活用する
かつて六本木にある外資系のホテルで、朝7時から翌日の16時まで、計33時間滞在したことがありました。もちろん追加料金なしです。
ホテルには決められたチェックインとチェックアウトの時刻がありますが、海外ではあまり厳密に守られていないことがあります。
とりわけチェックインについては部屋が空いており、清掃がすんでいる状態であれば早朝にチェックインさせてくれるところも。かりに部屋の準備ができていなくても、プールやスパ・ジム・ライブラリーなどの共用スペースは原則として利用できます。
これらの施設はチェックアウト後も使える場合がほとんどなので、チェックイン・チェックアウトの時刻にしばられずに施設をフルに活用しましょう。
レイトチェックアウトはアーリーチェックインとくらべると交渉が必要になります。
一般的にリゾートで空港送迎などが無料でついているリゾートなどはチェックアウトの時刻にあまく、ルール上は追加料金を定めていても、実際には夕方や夜まで無料でできることが多いようです。
シティホテルでもホテルプログラムの上級会員であれば16時までのレイトチェックアウトが可能なところはありますし、特に明文化していなくても1時間や2時間程度であれば快く引き受けてもらえることは多いので、予約時あるいはチェックイン時、または滞在中のいずれかのタイミングで意思を伝えてみましょう。
ただし、チェックアウト直前に交渉することは避けた方がよさそうです。
橋賀秀紀(はしが ひでき)
トラべルジャーナリスト。筑波学院大学非常勤講師。東京都生まれ。著書は『エアライン戦争』(宝島社)など。海外渡航歴は200回以上。執筆、講演の依頼、内容の問い合わせは、CREA WEB編集室まで。
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2017.01.16(月)
文・撮影=橋賀秀紀