より詳しい情報を集めるためのもう一手間

タヒチのボラボラ島の水上コテージ。事前にコテージごとの眺望の差を確認して、部屋番号を指定してリクエストを出した。

 みなさんは海外旅行に行くとき、どのような方法で情報収集をしていますか。ガイドブック、ネットで調べて現地についたら観光案内所にもよって……私も同じような方法で収集しています。しかし、より詳しい情報を集めるためにもう一手間かけることもあります。そこで、ここでは私が旅行に行く場合に実際に用いている情報源やその使い方のコツをすべて公開してしまいましょう。

(1) 検索で超絶マニア情報を見つけ出す

 質の高い情報を得るためには、検索するキーワードはマニアックなものにすることです。

 パリでおいしいレストランに行きたいとします。やってはいけないのが「パリ レストラン」と検索すること。これでは玉石混交の結果となります。「パリ レストラン 3ツ星」と検索してみます。すると「アルページュ」という店名がかかりました。こういう場合、具体的であれば具体的であるほど、情報源の精度は高まります。

 きちんとしたレストランの情報源ならシェフの名前くらい出しているはず。ということでこの店のシェフの「アラン・パッサール」をキーワードに加えます。するとその愛弟子であるという「パスカル・バルボ」というシェフの名前が出てきました。弟子についても書いているサイトなら、このレストランについてきちんとしたことがわかるだろう……。

 こうやって検索語をマニアックにすればするほど、そのジャンルについて詳しく解説した、あるいはよく理解した人が書いた記事が出てくる可能性が高まります。また店の開店時間など具体的なデータがほしい場合は住所などを検索のキーワードにいれるとよいでしょう。

 このように一つのジャンルや都市で深掘りする検索のほかに、あえてほかのジャンルやエリアと「たすきがけ」の検索をして、質の高いサイトをあぶり出す方法もあります。たとえばデンマークのコペンハーゲンにある有名なレストランの「NOMA」とかつてスペインにあった伝説的なレストラン「エルブリ」で検索します。するとその2軒をカバーしている情報のみが引っかかるわけです。

 航空券の情報でよく用いるのはプロモーションコードを検索する方法。最近エティハド航空がSTFBUSというコードを入れるだけで世界中のビジネスクラスの航空券が30%割引になるプロモーションを実施していました。その場合、「STFBUS ETIHAD」と検索すれば、このことについて述べているサイトが見つかります。マニアックで有益な情報を提供しているサイトは今後も同様の情報を発信する可能性が高いので、ブックマークしておくのもよいでしょう。

(2) トリップアドバイザーとフォートラベルを使い倒す

 海外旅行の口コミサイトの代表としてトリップアドバイザーとフォートラベルがあります。トリップアドバイザーで私がよく利用するのがホテルの情報。なかでも重宝するのは部屋の写真です。ホテルがプロのカメラマンを雇って加工した美しい写真よりも、ふつうの人がとったスナップ写真のほうが実際に肉眼でみたときの印象に近いのです。

 また、眺望を重視したい場合に必見なのが「部屋からの眺め」という項目。これでホテルを決めたことも数知れず。また高層か低層か、あるいは部屋の方角などによる景色のちがいなどもよくわかります。

 意外に使えるのが観光情報。これもランキングになっており、つまらない観光名所は当然のことながらランキングが低くなります。名所のなかには写真をみるだけでその善し悪しが判断できるものが多く、事前にここを見ておくだけで「ハズし」の観光地に行くロスを減らします。また、ガイドブックには掲載されていないような意外なスポットが発見できることも。

 フォートラベルはトリップアドバイザーほど掲載件数がありませんが、日本のサイトなので、日本人の視点にたった書き込みが多いのが特徴、なかでも観光ポイントについての記述は重宝します。

トリップアドバイザー
https://www.tripadvisor.jp/

フォートラベル
http://4travel.jp/

2016.09.26(月)
文=橋賀秀紀