『自遊人』編集長の岩佐十良さんに、日常から離れてリラックスするのにちょうどいいオススメの“贅沢宿”をお伺いしました。
» 第2回 【京都】広大な敷地で海風を感じる「HOTEL HOLIDAY HOME」
» 第3回 【山梨】ラグジュアリーホテルでグランピング「星のや富士」
» 第4回 【佐賀】自然との一体感を名庭と共に「御宿 竹林亭」
» 第5回 【兵庫】城崎温泉の名建築で海の幸を味わう「西村屋本館」
» 第6回 【群馬】秘湯らしい秘湯に浸かる「法師温泉 長寿館」
五感すべてで自然を堪能。ぼーっとする時間こそが贅沢です
宿に泊まって過ごすひとときは、その土地での目的はなんにせよ、いつもの生活とはまったく違う時間を過ごせることが大切だと思っています。といっても、ただ豪華な設えが「非日常」「贅沢」ではありません。
僕なら、なんといっても五感で感じられる自然こそが最高の贅沢です。特に5月、GWが明けた頃は新緑が美しく、空では鳥が歌い、生命が動き出す一大スペクタクルを感じられる季節。6月に入ればホタルを見られる場所もあるかもしれません。いつもはバタバタとしてなかなか余裕がありませんが、宿ではそういう空間に身を置いてひたすらぼーっとするのが最高のリラックスであり、「贅沢」な時間になります。
ぼーっとするからには誰とも話したくない、という「ほったらかし」(もちろんその裏には手厚いホスピタリティが)を望むときもあれば、日本旅館ならではの「至れり尽くせり」を求めるときも。また、秘湯でひたすらゆるめられるのもいい。そんな僕なりの「贅沢宿」をご紹介します。
◆ 坐忘林[北海道]
目に入るものすべてのセンスが抜群!
2015年、ニセコにオープン。広大な原生林の中に溶けこむように平屋が建ち、客室はわずか15室。それぞれに源泉掛け流しの内風呂と露天風呂があり、絶景を眺めながら体をリラックス。四季折々で表情をがらりと変える大自然に、リピーターが多いのも頷ける。
「オーナーはイギリス人の写真家で、大自然との建築物の調和といった大きな視点から、料理の盛り付けまで、目に入るものすべてのセンスがよく、『デザインされた日本の美』を感じます。個人的にはルームサービスでワインをとって、部屋でときどき内湯に浸かりながらゴロゴロ。豊かな自然に包まれるように過ごしたい」(岩佐さん)
● ここがいい!
・圧倒的な大自然に囲まれる
・センスのいい快適さ
坐忘林
所在地 北海道虻田郡倶知安町花園76-4
電話番号 0136-23-0003
料金 1室2名利用(1泊2食付)1名料金 55,000円~(税・サービス料込)
部屋数 15室
URL http://zaborin.com/
● 今回お話を伺ったのは……
岩佐十良(いわさ とおる)さん
『自遊人』編集長。東京都生まれ。新潟県南魚沼市在住。編集者、クリエイティブディレクター、株式会社自遊人代表取締役。温泉や食の記事に定評がある雑誌『自遊人』編集長として活動し、話題の宿、「里山十帖」のオーナーでもある。
2016.05.15(日)
text=Mei Hojo