寒さが堪える季節。ぬくぬくと温かい部屋にこもりがちだが季節には季節の景色があるように、冬には冬の楽しみ方がある。白銀の世界に漂う静寂、冷えた雪の匂い、幻想的な景色……。“冬旅”上手の星野リゾートを訪ね、冬の恵みを享受したい。

» 第1回 夜明けのスノーシュートレッキング「星のや軽井沢」
» 第3回 日本初のグランピングリゾート「星のや富士」
» 第4回 温泉三昧の冬籠り「星野リゾート 界 津軽」
» 第5回 雄大な阿蘇山の雪景色「星野リゾート 界 阿蘇」
» 第6回 里山の静かな温泉郷「星野リゾート 界 川治」
» 第7回 スノーリゾートで乗馬体験「リゾナーレ八ヶ岳」

◆ 星野リゾート トマム

誰もが心から楽しめる
雪と氷の非日常体験

氷のホテルの今季の営業は、2016年1月8日~2月29日。1日1組限定(3名まで)で、1名20,000円(要ウェブ予約)。なお夕方から見学のみも可能(無料)。

 凛冽な大気にすべてが包まれ、いよいよ厳冬期を迎えた2015年12月、星野リゾート トマムに今季も待望のアイスビレッジがオープン。“圧倒的な非日常”を身上とする星野リゾートだが、国内での今世紀最低気温マイナス35.8度を記録したこの地においては、極寒こそが非日常。心躍る多彩な体験を用意している。

冬の4カ月間のみ開かれるアイスビレッジ。サンタクロースに会えるクリスマス、花火のあがる大晦日、新年には氷のお年玉、去る冬を惜しむ3月には幻想的なキャンドルナイト……。ひと冬に何度訪れても異なる魅力がある。

 スノーリゾートというと、多くの人はスキーを楽しむ場所を想像するだろう。だが、星野リゾート トマムは、それを超越した進化を遂げ、雄大な山々の雪と氷は、すべての人に開放されているのだ。

 純白の雪に覆われたリゾートの一角に現れるアイスビレッジ。氷を積み上げて造られたアイスシェルが立ち並び、氷の滑り台、氷のレストラン、氷のバーなど、青い輝きを帯びる氷点下の世界で、特に人気なのが、氷のホテル。ベッドもソファも、そしてなんとトイレも氷製! 1日1組限定の遊び心いっぱいの空間だ。

ゲレンデのゴンドラで山上に登り、標高1088メートルから望む美しい霧氷の世界。1,900円(ゴンドラ往復)

 もちろんゲレンデもあらゆるゲストを歓待する。白銀の大絶景を満喫する霧氷テラスのほか、スノーピクニックやスノーラフティングなどのアクティビティは、誰でも気軽に参加できて、日常を忘れてすっかりはじけてしまうこと間違いなし。遊び疲れた体を癒やすには、雪景色から一転、常夏の世界となるミナミナビーチへ。日本最大級のインドアプールのほか、雪原を眺める露天風呂もある。

ゲレンデの中腹にある「マウントカフェ・ラプ」。幌付き橇に乗ってディナーを食べに行く特別なオプションもあり。

Text=Shojiro Yano
Photo=Akemi Kurosaka