寒さが堪える季節。ぬくぬくと温かい部屋にこもりがちだが季節には季節の景色があるように、冬には冬の楽しみ方がある。白銀の世界に漂う静寂、冷えた雪の匂い、幻想的な景色……。“冬旅”上手の星野リゾートを訪ね、冬の恵みを享受したい。

» 第2回 幻想的なアイスビレッジ「星野リゾート トマム」
» 第3回 日本初のグランピングリゾート「星のや富士」
» 第4回 温泉三昧の冬籠り「星野リゾート 界 津軽」
» 第5回 雄大な阿蘇山の雪景色「星野リゾート 界 阿蘇」
» 第6回 里山の静かな温泉郷「星野リゾート 界 川治」
» 第7回 スノーリゾートで乗馬体験「リゾナーレ八ヶ岳」

◆ 星のや軽井沢

繊細で優雅な木立に囲まれ
自然の音に耳を澄ます冬日和

空気がピンと張りつめた早朝。空が白んで朝日が周辺の景色を浮かび上がらせる。都会では決して得られない体験にしばし言葉を忘れる。

 都心からのアクセスも良好な長野県・軽井沢。夏の避暑地というイメージがつきものだが、そこは「星のや」のお膝元。この地を隅々まで知り尽くすリゾートならではのプログラムが充実する。

日中でも氷点下を下回る冬の軽井沢。無風、温度、日光、溶液の濃度によって氷のシャボン玉を飛ばせる。

 今年の冬、ぜひトライしたいのが「夜明けのスノーシュートレッキング」。視界ゼロに近い夜の森では五感はどこまでも研ぎ澄まされ、集中力も最高潮に。自分の足を頼りに辿り着く山頂では夜空が段々と白みはじめ、金色を帯びた朝日が雄大な山々を浮かび上がらせる。刻々と移り変わるドラマティックな景色に寒さも忘れ、清々しい達成感は想像以上だ。

動物たちが生き生きと暮らす冬の森をエコツーリズムの専門家集団「ピッキオ」の案内で散策。落葉した森は見通しがよく、バードウォッチングに最適。「軽井沢野鳥の森」には冬の渡り鳥「ウソ」の姿も。ふくふくとした姿が愛らしい。
雪上に残る動物の足跡探しも楽しみのひとつ。本物の動物の足(剝製)で「リアル足図鑑」。

 大パノラマを満喫できるのは、標高2200メートル超の四阿山や根子岳が連なる信州・菅平エリアをベースにした「バックカントリースキー」。手つかずの大自然が広がる雪山を経験豊富なツアーアテンダントとともに滑るプライベートツアーは、感動必至。誰も足を踏み入れていないまっさらな新雪へのファーストトラックはもちろん、雄大な自然と予測のつかない展開に心が弾む。

text=Mamiko Kume