1 / 3 ※写真はイメージです ©_Harumachi/イメージマート 2 / 3 『羆を撃つ』(伊藤秀倫 著、文藝春秋) 3 / 3 ヒグマの顔面に当たった瞬間、真野の右足首はあらぬ方向へと捻(ね)じ曲がっていた。右足だけではない。軸足となっていた左足首にも衝撃が走った。「両足ともグニャッとなって、立っていられず、転倒して仰向けの態勢になりました」 。そこに覆いかぶさってきたクマは、立て続けに2回、今度は真野の頭に噛みついた。 一連の攻撃の間、クマは吠えることも唸ることもなかったという。 「気がつくと目の前にクマの顔があって、顔によだれが垂れてきて……『あ、これはもう1回噛まれたら死ぬな。人間ってこうやって死んでいくんだな』と一瞬考えました。それでも『次に噛んできたら、これで反撃しよう』と、腰に下げていたサバイバルナイフを手で探りました」 ※写真はイメージです ©_aki1968/イメージマート