山菜Tシャツがよく似合う「里山十帖」料理長の桑木野恵子さん。 「里山十帖」は築150年の古民家を利用してつくられた宿。周辺は昔ばなしの世界を彷彿とさせる田舎風景が広がります。 「里山十帖」のある南魚沼は国内有数の豪雪地帯。はっきりとした四季を身近に感じさせてくれる地域です。 自家菜園の中のハーブ畑でレモンバーベナを手に取る桑木野シェフ。 この日の主な食材は、鬼もろこし、巾着ナス、かぐら南蛮などの新潟の野菜やチチタケやアカヤマドリといった夏キノコなど。 ナスを冷蔵庫ではなく井戸水に漬けて冷やす方法は、地元のおばあちゃんからの伝授。 十日町から到着したばかりの天然のどじょうは、1週間ほど山の水で泥抜きを。 野菜や果物は、皮も芯も無駄にせず、漬けたり、シロップで炊いたりして保存食や調味料に。 心地よく過ごせるように古民家をリノベーションした「里山十帖」は、天井が高く開放的。 たっぷりと自然光の入る大きな窓が配された厨房。「いつも背を向けていますが(笑)、窓を額縁に見立てると毎日変化する絵画のようです」 決まったレシピのない厨房では、その日仕入れた食材をもとに、即興で新しい料理を日々生み出しています。 香りのいい白炭を使用するマゴチの炭火焼き。佐渡の根もずくと合わせ、トウモロコシの出汁をかけて仕上げます。 ハーブ畑の隅にはコンポストが。野菜くずや生ごみが微生物の働きで堆肥に変わります。 「ここにいる大切さを実感している」と語る桑木野さん。