建築分野では、40代の女性建築家、パラグアイのグロリア・カブラルやニジェールのマリアム・カマラら比較的若手の5人の建築家たちのグループ展が開かれた。会場は、ギリシャのヘリテージをモダン建築に内包し、この国の歴史を総観できるベナキ博物館。 視覚芸術分野では、国立現代アート美術館EMΣTにて、2008-2009年度のプロトジェ半田真規を含む8人のアーティストたちによるグループ展が開催された。トークにはカミラ・ロドリゲス・トリアーナ(右)とタオ・グエン・ファン(中央)が参加。 アテネ・コンセルヴァトワールに設置された4つのインスタレーションの一つが、ダンサーで写真家でもあるアメリカのデジタル・アーティスト、ジェイソン・アキラ・ソンマによる「反復強迫」。通る人の動きがスクリーンに連写イメージとして投影される。 舞踊部門からは、2018-2019年度のプロトジェであるセネガルのダンサー兼振付師、コウディア・トゥーレ。アテネ・コンセルヴァトワールで、ギリシャを中心に多国籍のダンサーたちと新作「ÓRÓ」をエネルギッシュに踊った。 スタブロス・ニアルコス財団文化センターでのガラ・セレモニーの際に上演されたのが、本フェスティバルのために特別に創作された「アルテミス:Fountain」。作曲家パウチ・ササキとギリシャのコーラス団によるパファーマンスには、ライトアップされた噴水が華を添えた。 既存のパフォ―マンス[÷]v.0.8 : Boléroを、会場Ω2のインスタレーションに合わせてアレンジし披露したのは、舞台芸術分野のセバスチアン・ソロルザノ・ロドリゲス。光と影、そして彼自身の呼吸の音で観客を包み込んだ。 「新たなる遺産」と題されたトークでは、アート全般が社会、カルチャー、そして環境問題に及ぼす影響が討議された。司会は、ウィリアム・ケントリッジ。視覚芸術分野のメントーを務めた彼は、アニメーションから絵画、スカルプチャーまでの多様な表現で人種差別と闘う、南アフリカのアーティスト。 クロージングイベントでは、エジプトや米国のアーティストによるアンサンブルのコンサートが開かれた。エジプトのシンガー、ディナ・エルウェディディ(写真右)のメントーでもあったジルベルト・ジル(写真中央)が、スペシャル・ゲストとして参加。