ルーシー・リー展 見どころ作品は?

 東西さまざまな陶磁器や作家との邂逅を通して、自らのスタイルを確立していったルーシー・リー。作品が持つどのような要素が、私たちに“ルーシー・リーらしい”と感じさせるのだろうか。勝田さんが解説する。

「形、装飾、色彩が組み合わさって生まれる繊細さと、凛としたたたずまい。1970年以降の作品、例えば《マンガン釉線文鉢》などは、いわゆる“リーらしさ”がよく表れている作品かと思います。ろくろから生み出される、優雅なフォルム。高い高台から、口縁に向かって緩やかに大きく広がるシルエットが特徴的です。模様については、象嵌や掻き落としの技法を用いた独創的な線が、装飾的な効果を生んでいます」

 そしてもうひとつ、リーの作品を特徴づけるのが、淡いピンクや鮮やかな青といった豊かな色彩だ。

「リーはウィーン時代から釉薬の調合をノートに記してたくさんの実験を重ね、戦時中は陶製ボタンの制作を通じて、さらにその知識を深めます。こうした試行錯誤は、その後の陶器制作にも活かされていきました」

 出会い、受け入れ、自己のスタイルを確立していく背景には、ウィーン時代から続く膨大な実験の数々があったのだ。

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