ついに迎えた検査前日
10日後、ついに迎えた検査前日。大腸内視鏡を高い精度で行うには、クリアな視界が欠かせない。つまり、腸の中がきれいであればあるほどよく、それには「下剤による前処置がうまくいくかどうかが最も重要」なのだ。
前日の食事は「お粥、素うどん(薬味なし)、卵がゆ」のみ許可されている。味付けは出汁や醤油とシンプルなもので、具材は「溶き卵だけ」とのこと。振り返れば、この“前日の食事制限”こそが、私にとって最大のハードルだった。
というのも、炭水化物中心で一日を過ごすのが想像以上につらい。お粥だけでは、どうにも一日のスタートに必要なエネルギーが満たされないのだ。もともと朝食は軽めなほうとはいえ、普段は家族のお弁当用に作ったおかずをつまみ食いする程度でも、それなりに満足感があったらしい。そのわずかな一口の違いを、これほどまでに実感するとは思わなかった。
そこで昼は、白だしベースのうどんに、普段ならあまり食べない卵を2つ溶き入れてみた。見た目はなかなかおいしそうで、キッチンで立ったまま一気に食べる。だが、やはり物足りない。味の変化にも乏しく、すぐに飽きがくる。夜は卵がゆの予定だが、食べる前から満足できないことは容易に想像がついた。しかも、その一方で家族の食事は通常どおり用意しなければならない。かなり憂鬱である。
クリニックからは、検査前日の食事を自分で用意しない場合の選択肢として、消化しやすい食材と調理法で作られ、下剤で排出しやすい「低残渣食」と呼ばれるレトルト食品を提案されていた。改めてネット検索してパッケージを見てみると、箱にたっぷりのデミグラスソースに浸かったハンバーグのような一品が映っている。素直にこちらを選んでいれば、今ごろあれが食べられたのか。次回は迷わずこれにしようと心に決めた。
お腹が満たされないまま、20時以降は絶食に入る(ただし水分は可)。指示通り、21時には目薬のような容器に入った下剤を180mlの水に溶かし、一気に飲み干した。雑事を済ませ、0時に就寝。検査は翌日13時からだが、私はクリニックで下剤を服用する予定のため、「9時30分に来院を」と指示されている。
翌朝。前夜の下剤が効いて、6時30分、目覚めと同時に便意を感じた。とはいえ、ごく自然な感覚で、際立った腹痛はない。8時30分に自宅を出るまでに2回ほどお通じがあったが、どうやらこれには個人差が大きいよう。というのも、クリニックで私と同じ日に検査を受けた女性の話では、下剤が真夜中に効き始め、何度もトイレに起きて大変だったという。
