本物の“人生を楽しむ力”を伝えたい
最後に、マンガの『赤と青のガウン』を通して、池辺さんは読者にはどんなところを楽しんでほしいかをうかがってみた。
「心弾む気持ちで読めるって貴重ですから、シンプルに『面白い』『興味深い』と思ってもらえたらそれだけでいいのかな。私がエッセイから感じたことがそれだったので。
私は殿下ほどには目の前の世界をキラキラした目で見ていなくて、だから、あの次元に自分を持っていくために自分を整えることには苦労しているんです。やっぱり殿下の視点と私の視点、もちろんしてきた経験も全然違います。描いていて楽しいとはいえ、プレッシャーや難しいこともないわけではありません(笑)。
ただ、ご身分があっても、ときに感じる孤独や学問を続ける大変さは普通の人たちと同じというか、しんどいこともたくさんあるわけじゃないですか。さらに、その責務の重さはいかほどかと思います。それでも殿下は制限された自由の中で、人生を大切になさっている。そういう本物のパワフルさを感じてもらえるようなマンガでありたいなとはずっと思っています」

『マンガ 赤と青のガウン 第1巻』
新潮社 原作 彬子女王/漫画 池辺葵 1,540円
「命を吹き込むとはこういうことなのかと、ぞくぞくした」(彬子女王)。女性皇族として初めて海外で博士号を取得された彬子女王殿下。一人で街を歩く心地よさと寂しさ、論文に追われた日々、支えてくれた友人たち――英国での苦しくも輝かしき青春を『ブランチライン』の池辺葵が繊細な筆致で描き出す。殿下の特別エッセイも収録。
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